2月5日(移動日)後半:夜市の特製フーティウは4万ドンの価値がある

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※この記事は旅行から帰った後に書いています。1万ドンは約56円でした。
※地図はこちらを参照。
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ヴィンロンを過ぎたバスはいくつもの橋を渡り国道53号線を南下する。風景はもう河、橋、田んぼの繰り返しだ。東南アジアの長距離バスがどこでもそうであるように、ごく当たり前のように途中で客をおろし、また要所要所で新しい客を乗せて進む。ミエンタイバスターミナルを出てから約6時間。チャーヴィン市に入るころには乗客はもう半分以下になっていた。どうも Thanh Thủyというバスターミナルがあるらしいので、運転手に「Tôi định xuồng bến xe Thanh Thủy(タイントゥイバスターミナルで降ります)」と告げると、「Đi qua!(もう過ぎたぞ)」とのことで、そのあたりで適当に降ろされる。

さて、どうしようかなぁと思っていると2台のバイクタクシーが寄ってくる。早速筆談を交えて「Bạn có biết khách sạn giá rẻ(安いホテル知ってる?)」と聞く。条件はいつもどおりの「có máy lạnh, Tivi, nước nóng(エアコン、テレビ、温水シャワーあり)」に、「Không cần tiếng Anh, 200.000đống/1đêm(英語は不要、一晩20万ドン)」を追加。15万ドンのホテルがあるというが、「gần chợ? gấn sông?(市場に近い? 河に近い?)」と聞くと3kmは離れているという。レンタルバイクがあればそのくらいは、と思い有無を聞くがはっきりしない。市場近くなら25万ドンか30万ドンだとも言われるので、20万ドンくらいでないのか、というと「về đây ngủ lại」と筆談が帰ってくる(あとで訳したところ「もうここで寝ろ(笑)」程度の意味か)。集まってきた若者に「được tiếng Anh không?(英語はできるか?)」などと聞くが誰もできそうにない。日没まであと1時間程度なのでここで時間を潰すわけにもいかず、「Chúng ta đi khách sạn 250kd(25万のホテルに一緒に行こう)」と告げ、バイクタクシー代4万ドンも承知して後席に乗り込む。

 

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2.5kmほど走って一軒のホテルを紹介される。看板にあるのは「Mini Hotel Minh Nguyệt」。家族経営のようで、20代前半とおぼしき愛嬌のある娘さんが、ほんの僅か、ひどい発音だが英語を喋った。部屋を見せてもらうと十分に清潔で、必要な設備も揃っていて1晩18万ドンだという。レンタルバイクは1日15万、自転車なら7万というので「とりあえず1晩」と告げてようやく荷物をおろした。

 

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「Có chợ đêm không?(夜市はある?)」と娘さん(名はAnh Thưというそうだ)に聞くと嬉しそうな顔で「Có!(ある)」と地図を書いてくれた。ホテルの前のグエン・チ・ミンカイ通りを北上し、スタジアムの前で右折し、信号機のあるところで左折、次の通りを右折のようだ。距離は1kmほどらしい。

観光客目当てではない、ローカル向けの夜市は一昨年の旅行の際にタイのハジャイで見つけてすっかり気に入ってしまったものだ。日本では台湾の観光夜市ばかりが有名だが、熱帯で非先進国なら夜市はどこにでもある。観光ガイドに乗っているような大都市のものはお金を毟り取ろうとする気に満ちていて味気ないが、ローカル向けは本当にゆったりとしていて心が和むし、たいていは女性用の衣服売りが中心なので可愛い女の子を存分に眺められる。

 

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歩くこと15分ほどですぐに夜市は見つかった。盆栽売りが盛んのようだが、これは旧正月前だからだろうか。まずはサトウキビジュース(当然5000ドン)をテイクアウトし、飲みながら散策する。小さな田舎町とは思えない大変な賑わいで、バイクなどは殆ど前に進めないほどだ。しばらく行くと脇道にフティウ(カンボジアからベトナム南部の米麺)の屋台があったので一杯頼む。随分大盛りの上に具もたくさん。大根、豚あばら、豚の血の煮こごり、スルメ、各種臓物、鶏皮らしきものとまさに「Đặc biết(特別)」。南部らしい甘めのスープも美味い。唐辛子とライムを添えて頂くが、頼む前に値段を聞き忘れてしまった。聞けば4万ドンだという。田舎街にしては高いなと思い値切ってみるが通じない。まぁこれだけ具だくさんで味もいいのだから、プライドをかけてその値段なのだろうと諦めて支払う。

 

チリンチリンと鐘の音を鳴らして売り歩く3000ドンのアイスクリーム(冷たいもの売りが鐘を鳴らすのは世界共通なのか)を食べ、夜市を抜けると街の中心近くに出る。そういえばホテルにシャンプーがあるかどうか確認していなかったので、雑貨屋で使いきりパックのシャンプーを2個だけ買って2000ドン。夜市ではビールを飲める場所が一切なかったので、ついでにビールも2缶で2万4千ドン。夜食にしようとバインミーを1万ドンで買ってホテルに戻り、店番をしていたお母さんから6000ドンでよく冷えた水を買って部屋に戻る。

 

この日使ったのは27万9千ドンとホテル代18万ドンで45万9千ドン(約2570円)。移動日でこの金額なら、サイゴンでの赤字は取り戻せそうだ。