2月7日午前:自転車でクメール遺跡と華人の施設を

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※この記事は旅行から帰った後に書いています。1万ドンは約56円でした。
※地図はこちらを参照。
 

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ホテルの裏手にある寺の時鐘で5時に眼が覚める。6時すぎには外に出て、Anh thưと筆談で Gió sáng lạnh(朝の空気は冷たい)など話す。いつまでも蔑ろにするのは悪いので、今日はお母さんの勧める角のフォー屋に入る。

フォーにはあまりいい思い出がないので今まで避けていたのだけど、ここのフォーボーチン(半ナマ牛肉のフォー)はそこそこ美味しかった。しかし食べ終わって会計をしようとすると1杯40,000ドンだと言いはる。「あそこの宿の女将さんが30,000って言ったよ」と主張するが話の通じないふり。これは長期戦だと覚悟し、5,000ドンの表示がある Sâuなる飲み物(ルートビアのような薬臭い黒い茶で、とても美味しいとは思えなかった)を注文し、飲みながら他の客の支払いを注視、ほらやっぱり30,000じゃない、などと交渉を続けるとようやく根負けしたのか、笑いながら30,000ドンで手を打ってくれた。ベトナムではこんなことは日常茶飯事で、ここで怒ってしまうかどうかで印章がガラリと変わるのだろうと思う。
 

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宿に戻ってご主人(チャールズ・ブロンソン似)にレンタル自転車を出してもらう。Anh thưには1日70,000ドンだと聞いていたのだけれど、「60,000だったよね?」と引っ掛けてみるとその言い値で話が通じた。Anh thưが嘘をついたわけでなく、私がご主人を騙した形だ。まぁ10,000ドンくらいは値切って構わないだろう。日本人の感覚で言えば、缶ジュース2杯程度だ。
 

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まずはクメール遺跡の水上寺院「アオバーオム」を目指し、郊外の大通りと街をつなぐグエン・チ・ミンカイ通りを南下する。自転車のサドルはガチガチですぐに尻が痛くなるがとにかく我慢。観光地図に従ってアオバーオムの裏手に出るとそこにはハンモックカフェが。とりあえず休憩しようと、ペットボトルのライム飲料と氷入りグラスを頼みハンモックでゆらゆら。目の前の広場では学生グループがポッキーゲームのようなことをしながら盛り上がっており、嫉妬の炎が燃える。ジュースは10,000ドン、ハンモック使用料は2,000ドンだという。高いなあと思いながらもそのまま支払う。ついでにトイレも借りたのだが、これも2,000ドンとられてしまった。有料だと知っていたらそこらの藪で済ませたのに。
 

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アオバーオムは、正直しょぼかった。もうすこしおとなしい色で塗られていればまた印章も変わっただろうが、この蛍光色はない……。
 

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近くでは牛が放牧されており、随分とのどかであった。畑に出かける途中のおばさんにカメラを向けると、黄色い声で「キャー撮らないで!」的なことを叫んだが、容赦しない。
 

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街の方に戻ると古そうなクメール寺院(中に入ってみたがたいして見るところはなかった)。門にはPL1186と書かれていたが、まさか仏暦1186年(西暦643年)創建ということはあるまい。643年といえば扶南が真臘に滅ぼされた直後くらいだ。
 

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街の入り口の革命モニュメントを過ぎ、街の中心に向かって戻ると小さな青空市場を見つけたのでマスクを買う。最初は6,000ドンだ言っていたが、値引き交渉で4,000ドンに。
 

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今度は街の東のほうへ。市場や大きな公園のあるあたりとは別に、ここにはCoop-Martや携帯電話ショップなどがある新市街となっているようであった。途中、「茶榮華人文化中心(trung tâm văn hóa người hoa Trà Vinh)」なる中華系市民の施設を見つけて(土曜日で誰もいなかったが)見学。立派な天后宮のほか学校などもあり、多民族都市らしさを感じられた。
 

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異国の地に移民をし、そこに根付いて生きる中華系の人々にとって「百年樹人」の言葉はまた特別な意味を持つのだろうと思うと感慨深い。
 
 
この日午前中に浸かった金額は合計113,000ドン。