2月9日午後その1:ミーロン市社、コーチェン川の河口

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※この記事は旅行から帰った後に書いています。1万ドンは約56円でした。
※地図はこちらを参照。
 

事故現場から離れ、しばらく進んだところで横道に入り、ビリヤード台のあるハンモックカフェに入る。すぐ隣に高校があり、チョイ悪学生の溜まり場となっているようだった。交通事故の興奮を冷ますためにお気に入りのペプシStingを飲み休憩……。
 

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今回の目的地は、チャーヴィン省とベンチェ省の境をなすメコン川の支流・コーチェン川の河口付近である。旅程を考えているときに航空写真で見た、チャーヴィンの南約30km、ミーロン市社のこの不思議な地形ーおそらく、漁民が海に出るためにマングローブを切り開いたのだろう、櫛のような切れ込みーこれがどうしても見たかったのだ。
 

ハンモック屋の主人に「ミーロンはこっちだよね?」と確認をとり、再度バイクで走り出す。ほどなくミーロンの中心街とおぼしき海鮮市場の前に出る。さらにgooglemapを頼りに、道なき道にバイクを踏み込ませる。おそらく雨期の満潮のころにはここまで水がくるのだろう、地面はひたすら不燃ごみが積み重なり川側はニッパヤシが生い茂る。そんな道を数百メートル進んだだろうか、ふと空間が開け、公共物らしい建物がある。
 

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チャム・キエム・ラム(Trạm Kiểm lâm)。チャムはサイゴンで学んだ「バス停留所(站)」の「站」、つまり「キエム・ラム停留所」だろう。もちろんここで停留所といえばバスではなく、渡し船のはずだ。

 
注:これは後日ベトナム語の勉強を深めてわかったことですが、チャム・キエム・ラムは「站検臨」。即ち国境や海辺の臨検所のことであり、恐らくベトナム人民軍国境警備部隊(bộ đội biên phòng)の施設です。船も軍の所有物なので、気軽に近づくのは避けたほうがよかったのでしょう。
 

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海側を見ると、もはや廃止されたのだろうか、単に乾季だから使われていないのか、時間が止まったような渡し船の格納庫があった。
 

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船尾と陸をつなぐコンクリートの橋はずいぶん危うい状態になっており、格納庫の扉に交われた南京錠も錆び付いていた。
 

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船の右舷に回りこんでみると、泥地を歩くためのスキーのようなものが打ち捨てられていた。この先に進んでみたかったが、この泥の様子では、膝まで埋まってしまうだろう。
 

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泥地を前に逡巡していると、網を持ち、腰まで泥色に染まった漁師が川のほうから上がってきて、なにかしら声を掛けてきた。会話は通じないまま、彼は人里のほうへと去っていった。後ろ姿を写真に収める。
 

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バイクに戻ってさらに南に進んでみたが、そこから先は網が張られ、行き止まりとなっていた。漁民が飼っているのだろうか。番犬にも吠えかかられ、もう進むことは出来なかった。
 

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積み重なった不燃物の地面の上を、放し飼いらしき鴨・アヒルの類が散歩していた。
 

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あひるは追いかけるとすぐにニッパヤシの密林に逃げ込んでしまった。
 

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牛飼いの民家があったので声を掛けてみたが話は通じず、もう戻るしかなかった。
 

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ミーロン海鮮市場まで戻る。
 

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海鮮市場の裏手はそのまま湿地になっており、100mほど先には水があり船が浮かんでいた。おそらく満潮になれば、市場すぐまで船をつけることができるのだろう。
 

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ここもまた不燃物の大地となっていた。こんなところで足を怪我でもしたら、破傷風になるかもしれない。十分注意しつつ、あひるの群れを写真に収める。市場から出てきた男がマングローブの林の奥に向かっていくので後についていってみたら、苦笑して追い払われた。よく見れば、道の先には川にそのまま排泄物を落とせるタイプのトイレが拵えてあった。
 

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市場で話しかけた雑貨屋の男から自慢のゴーヤ焼酎を一杯。彼は指さし会話帳の「私のおごりです」という項目を見つけ満足そうに指さすと、ココナツジュースを1個持ってきてくれた。
 

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好奇心いっぱいの飼い猫と遊びながら、男の家族としばし歓談。
 

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海鮮市場は安価な干物類がたくさん並ぶ。果物売り場のある青果市場でヌクミアを1杯。こんな田舎でもヌクミアは5000ドンだ。