プノンペン王宮と「川むこう」
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昼食も終えたので、前回訪問時にはシアヌーク国王の葬式のため参観できなかった王宮(の庭園的な場所)を見に行くことにする。中央市場から王宮の入り口まで Grabで5500リエル。着いたのはまだ昼休み時間だったので近くの屋台でジュースなどを飲んで過ごす。屋台のコーラは2500リエルで、ホーチミン市中心部の観光客の多い所と比較すると少々安い。
王宮の入り口はずいぶんわかりにくく、まわりの人に何度か尋ねる羽目になったが、13時近くになると人が並びはじめた。入場料は10ドルあるいは40,000リエル。観光客は欧米の人が多いようだった。
うーん。この王宮庭園、なんというか……。住宅展示場っぽいのである。建物自体も、まぁカンボジアやタイにありがちなものばかりで、たいして面白みはない。
あと、インドシナの割にはフランスっぽくなくて、なんかイギリス庭園っぽいのである。
そんな中で面白く感じたのは……
この壁画である。いつの時代のものかはわからないが、なんとなく平安絵巻的というか、百鬼夜行絵巻的というか、高貴さと忌まわしさが入り混じった趣があった。
付属のミニ博物館には、王の行列のジオラマなどがあって、これはずいぶん面白く感じられた。
カンボジアではよく見かける楽団もいた。この円形に並んだゴングはカンボジアからメコンデルタ、ラオス南部、ベトナム西部にかけての文化である。
ヒンズー教モチーフの像かと思ったら、子供のお釈迦様が立っておられた。
王宮を見終わったら、またGrabに乗って、昨日依頼したビザをとりにベトナム大使館へ。引換券を渡し、ビザの貼られたパスポートを受け取る。
今日の用事を終えても日が沈むまではまだずいぶん時間がある。googlemapを眺めながら、気になる地形を見つけて行ってみたのは……
イオンモールプノンペンの南のほうにある渡し場である。午前中のバスでは行き損ねたトンレサップ川の向こうへフェリーが出ている。徒歩の渡し賃は500リエル(≒2500ドン)。ベトナムよりはずいぶん高い気がする。
対岸はまだ全く開発されていない荒れ地のような場所だった。とりあえず集落の道をぶらぶら歩き、カフェに入ってみる。
半分に切ったバインミー(នំបុ័ងប៉ាតេ:ヌムパンパッテー)が2000リエル、アイスコーヒー(កាហ្វេទឹកកក:カフェタッコー)が1500リエル。バインミーは「1本か、半分か」と身振り手振りで聞かれ、半分で、と頼んだ。
カフェで集落の男たちが大騒ぎしながら見ていたテレビ番組は、闘鶏であった。テーブルに飛び交う現金。まちがいなく生放送であろう。うーむ。すごい。テーブルにたかるハエも凄いが。
またフェリーで本土に戻り、Grabで中心街へと行ってもらう。正規料金を払うのはお互い損なので、スマホの地図を見せて交渉する。こちらが通りの名前を言っても、撥音が悪いのだろう。全く通じない。観光ビジネスではいちばんの目抜き通りのはずの、「シソワット・キー」が通じないのである。
食事を求めて歩き回るが、130番通りのあたりはすっかり歓楽街になってしまっていた。
結局、カンダル市場の方まで歩くと、ほどほどにローカルで、ほどほどに清潔な飯屋がたくさん並んでいる場所を見つけた。うーん、次回はこの辺りに泊まることにしよう。牛肉飯とビール2缶で13,000リエル(3ドル少々)。
(続く)