ドンナイ省の巨大マリア像と水上住宅を見に行く

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妻の姉の住むドンナイ省トーンニャット県に、新しく巨大マリア像ができたというので見に行ってきました。

↑今回はgooglemapではなく openstreet map のマップエディタ機能を使ってみました。どんなもんでしょう。


私の妻の出身地であるベトナム南部・ドンナイ省はホーチミン市の東隣にある内陸の省で、省都はビエンホア市。ビエンホアは戦争中にアメリカ軍の大規模な基地が置かれていたことで有名で、いまでも当時の基地から流出した毒物の影響が残っている地域もあります。またこの街はベトナム南部の華人のルーツのひとりである、陳上川が根拠地をおいた場所でもあります。

そのビエンホア市の東隣にあるのが妻の実家のあるチャンボム県、そのさらに東にあるのが妻の姉夫婦の住むトーンニャット(統一)県。そのトーンニャット県の北部にある第一ザータン(嘉新)村に巨大マリア像ができたと言うのが昨年の末のこと。それを見るついでに、その北にあるディンクアン(定貫)県にある水上住宅で有名な La Ngà 橋まで足を伸ばしてみました。

今年のテト(旧正月)は2月1日。例によって妻の実家でだらだらと過ごしていたのですが、このままではいかん、何か面白いことをせねば、と思いついたのがこの小旅行。妻をバイクの後ろに乗せて国道1A号、国道20号(ダラット街道)を北に走り、マリア像のあるザータンは一旦通過して La Ngà 橋に向かいます。

地図を見ればわかるのですが、ザータンも La Ngà 橋も、同じチアン湖という巨大なダム湖の畔にあります。このダム湖はサイゴン川の水源となっており、またこの地域の水瓶でもあります。


ホーチミン市区部は山も丘もないだだっぴろい平野なので、ダラット街道に入って山が見えてくるとそれだけでちょっと感動します。
 


一旦マリア像のあるあたりを通り過ぎ、ちょっとした山間の道を抜けると La Ngà 橋に出ます
 

ベトナムで水上民というとメコンデルタのそれが有名ですが、このあたりにもいるんですねえ。それから以前聞いたニュースによると、カンボジアのトンレサップ湖に住むベトナム系水上民が、カンボジア政府のハラスメント(身分証を発行してくれないとか)に耐えかねて、千人単位で亡命してきてこのあたりに住んでいるという話もあったような気がします。


 


 


ここから取って返して、マリア像のある Núi cúi (cúi đầu で「頭を下げる=お辞儀する」。なので直訳すると傾山?)まで戻ります。
 

実はここ、昔から聖地扱いされていた場所のようで、風光明媚なこともあって、私も結婚写真をここで撮っていたりします。当時はちょっとした修道院しかなかったこの場所ですが、いまはカトリックのいろいろな施設もあり、またチアン湖のほとりはキャンプ場として整備されつつあり、ちょっとした観光地になっています。このあたりは住民もほとんどカトリックですから。

ちなみにこのあたりのカトリックのほとんどは、もともとはベトナム北部に住んでいた人たち。1954年のジュネーブ協定(北ベトナム – ベトナム民主共和国がフランスから独立し17度線の暫定国境が確定され、ベトナム国民に対して北に住むか南に住むか自由に決めて移民していい期間が2ヶ月間設けられた)の際に、「共産政権は宗教をすべて禁止するらしい」という噂に恐れて南部に逃げてきた人たちの末裔です。
 


敷地に入ると、Mẹ núi Cúi (傾山の母)の看板とともに巨大マリア像が出迎えます。
 

この日はテト休暇ということもあって大賑わい。マリア像の足元までバイクで行ってみたんですが、到底入場はできない感じですぐに下山し、どうしても礼拝をしたいという妻を僧院でおろしてわたしはチアン湖周辺を散策してみました。


テントを立てている人もちらほら見られ、思ったより本格的な湖畔のキャンプ場になっていました。
 


 

最近はベトナムでも結構アウトドアはブームになってきています。うーん、COVID-19が明けたら中部高原の山の方とかまた行きたいですねえ。