出張ついでに九州旅行(太宰府・長崎)
4泊5日の出張
仕事で日本へ出張のついでに太宰府・長崎を少し観光してきました。去年も3回日本に出張に行っていますが、過密スケジュールでほとんど自由時間がなく、あっても行き慣れた場所しか行っていないのでこれまでブログには書きませんでした。しかし今回は予定が1件ぽしゃったこともあり、4泊5日の日程のうち2日も完全自由の日(単独行動・業務予定なし)ができ、エリア的にもまだ行ったことのない場所だったので少々観光してきました。
今回の出張での業務予定は、月曜日に数ヶ月前から日本で働いている実習生の様子確認と新規顧客への挨拶、火曜日は長崎市で行われる長崎県のイベントへの出展。水曜日に鹿児島の新規顧客へのプレゼン(これがぽしゃった)。ベトナムでは遠方への出勤というと前泊が当たり前。交通機関が不確かな国だからという事情があるのでしょう。

というわけで出発は土曜深夜(日曜早朝)。行きの便はベトナムエアライン VN350(サイゴン00:10→福岡07:00)。私はベトナムの在住カードを持っているので出入国時は必携です。しかし今回は福岡という地方空港便ということもあってか、機材はA320で座席も狭く、飲み物や機内食のサービスを除けばLCCと変わりないような状態でした。


福岡空港は初めての利用です。なかなかきれいな空港です。明日またここで同行の副社長と合流して長距離バスで移動するのでその下調べをした後は1日フリー。中洲川端の博多座近くのホテル(朝食つき14000円くらい)を予約していたので荷物だけ先に預けます。私のような海外在住者は日本のホテルに泊まるときは外国人同様にパスポートを身分証として提出します。
太宰府

博多中心街は特に見たいものもなく、個人の趣味としてはやはり歴史モノとなるので、西鉄天神駅から向かったのは太宰府市。この写真は駅舎です。
太宰府天満宮


梅が枝餅を食べながら参道を歩き、太宰府天満宮へ。修学旅行の高校生のほかに、配属前研修中と思われる技能実習生の団体もいました(技能実習生は入国後、配属までに1ヶ月の研修が義務付けられています)。
調べてみると太宰府天満宮も「神社本庁」傘下なんですね。日本政府によって田舎に飛ばされた菅原道真を祀る「廟」のはずなのに、なぜ神話の神々を押し付けた国家神道の継承組織の傘下なんですかねえ。そこのところが不満なので鳥居をくぐらないように行動。あくまでも私のスタンスは歴史的建造物の見学という形です。そもそも私、カトリックだし。

「さわるとあたまがよくなる牛」と文字にすると大変バカっぽいと思ったので触りませんでした。漫画『応天の門』の菅原道真が見たら嘆くでしょうなあこの牛。

この門の先にある本殿も離れた場所から見るだけ。とはいえ私は教師なので、学生への土産に「学業成就」の鉛筆などは買ったりしました。
九州国立博物館

そもそも大宰府訪問のメインは天満宮ではないのです。天満宮から少し歩くと見えてくるのが、「九州国立博物館」。

お金がないので常設展のみ。入場料700円。国立博物館にしては小さめな気もしましたが、先史時代から近世までの九州北部をメインにした展示は楽しめました。特に私はベトナム在住なので、アジア諸国への玄関口だった九州北部の事物は興味深いものが多くありました。

これは明治初期(江戸末期?)の世界各地域の風俗を描いたもの。左から「らう」(ラオス)、「かぶじや」(カンボジア)、「志やむ」(シャム=タイ)、「河内」(ハノイ)、「とんきん」(東京=ベトナム北部)ですね。

昼は天神で海鮮丼と魚料理。しかし日本の物価、高くなりましたねえ。

夜はホテル周辺の食事処がほとんど閉まっていたのでコンビニで(日本に行くとどうしてもコンビニでチューハイなどを買って部屋飲みしてしまう)。これは翌朝のホテルの朝食バイキング。
このあとは2日間仕事モード。西海市や長崎市などに行きました。
長崎
水曜日は鹿児島に行く予定だったのがぽしゃってしまいました。引き続き出張予定がある副社長とはここで別れて長崎を観光することにします。
26聖人殉教碑

まずは26聖人殉教碑とその付属博物館。長崎駅すぐそばですが、さすが坂の町だけあってたどり着くのには一苦労。私はカトリックとはいえ殉教には否定的ですが、歴史を偲ばせるいい展示がたくさんありました。また博物館の売店の人と話してみたら、私が世話役を務めているホーチミン市の日本人カトリック共同体に以前よくいらしていたシスターの縁者の方でした。
グラバー園

次はバスで移動して浦上天主堂とグラバー園。浦上天主堂のほうはパス。ああいった古いカトリック教会建築はベトナムでさんざん見慣れているし、入場料も高かったし。グラバー園の方は入場料も安く、眺望が期待できそうだったので入ってみました。

さすがに眺めはいい。建物の方は……まぁ所詮は武器商人の館だし、コロニアル建築はベトナムにも売るほどあるので大して感想なし。
グラバー園の裏口から出て「相生地獄坂」なる急坂を降りるとそこに路面電車の終点停車場があります。路面電車で出島に向かいます。
出島

これは出島内にあるミニチュア出島。欧米からの観光客が多かったです。
平和記念公園

さらに路面電車で平和記念公園へ。ヨハネ・パウロ二世も訪問せず、堀田善衛に「醜怪極まりない。あの平和祈念像ほど酷いものはこの世に少ない」と言われ、大浦教会の神父にも「絶対に行かない」と言われたという平和祈念像です。作者の北村某は戦争中は軍人の像などをつくっていた人間で、この平和祈念像の後ろにも「男性の肉体美がどうのこうの」と書かれており、やはりこのマッチョ像が平和の象徴というのはかなり無理があるでしょう。
また園内には70年代~80年代に世界各国から送られたという平和の像が立ち並んでいるのですが、この殆どが社会主義国の政府からの寄贈で、私の見る限り社会主義国でないのはポルトガルとイタリアの都市からのものだけでした。いや、もしかしたら西側諸国は寄贈の呼びかけに応じなかっただけなのかもしれませんが、それにしても、いくらなんでも党派性がありすぎる。左派の私でも「やめてくれー」と思ってしまう。実は前夜にお客さんと飲みに行ったスナックのママさんからも「平和記念公園は……好きじゃなかとけん、行かんねえ」という言葉を聞いている。
また道路を挟んで「被爆母子像」「爆心地の碑」がある公園が別に作られており、そのちぐはぐさも気になります。聞くところによると丹下健三が設計した広島の平和記念公園は、「像」のようなメッセージ性の強いものはみな巧みに木々の中に隠されているとか。長崎のほうはちゃんとした設計者がいなかったのでしょうかねえ。

その後は長崎駅で昼食などを食べ(ゼッテリアの絶品バーガーです)、西九州新幹線(めちゃ短いんですねこの新幹線)と特急を乗り継いで福岡へ。
福岡

そういえば今回まだラーメンを食べていなかったので博多駅地下で豚骨ラーメン+炒飯。炒飯はあまり美味しくなかった。

翌日は10時の便で帰国。出国審査前にみたらし団子。ホテルは朝食付きでないプランにしたので搭乗前に天ぷら定食。

ハノイ経由で帰宅しました。しかし「親子丼」を「Japanese chiken rice」というのはちょっと……。まぁ正しいといえば正しいけど。なお帰りの便もハノイまではA320でしたが、ハノイ~サイゴンはA350で全席モニタ付きで快適でした。
























