カンゾー(カンヨー)県へ
※この旅行記のインデックスはこちら。
ベトナムには58の省と5の中央直属市があり、その下部の行政区画は以下の図のようになっている。
私の住むホーチミン市には、都心に19の区(quận: 郡)、郊外に5つの県(Huyện: 縣)が置かれている。5つの県のうち、外国からの観光客も来るのは、中北部のクチ県(現地発音ではクゥチィ)と、南部のカンゾー県(現地発音ではカンヨー)であろう。クチには戦争中の解放民族戦線の一大拠点・「クチの地下道」があり、カンゾーには豊かなマングローブの森が残っている。
今回、ベトナム語を勉強しに行っている大学の休みを使って、バイクで1泊程度の小旅行をすることにした。地図を見ながらバイク1泊(せいぜい片道150km)で行ける範囲を探してみると、まだ行ったことのないティエンザン省の東端・ゴーコン市周辺が目についた。調べてみるとこのあたりには、フランス植民地時代につくられた、Đồn Rạch Cát(ラックカット根拠地、とでも訳せばいいか)というサイゴンへの水上交通路を睨む砲台や、Nhà Trăm Cột(百柱の家、と訳せばいいか)という古い建築があるようだった。そしてこの辺り一帯は、サイゴン川、ヴァンコー川、ティエンザン(メコン川支流)の3つの水系が交わり、カンゾー県とも隣接している。
まずはカンゾー県へと向かう。カンゾー県には旅行者としてベトナムに来ていた頃にも一度来ている。私はツアーなどが嫌いな人間なので一人で行ったが、普通はジャングルクルーズつきのツアーで行く場所のようだ。朝10時半すぎに出発して(少々道に迷って)、ホーチミン市7区からニャベ県へ入り、ニャベ県とカンゾー県を結ぶ「Bình Khanhの渡し場」に着いたのが11時40分ごろ。
このままカンゾー県の最先端、ここから35kmほどある「4月30日海岸」を目指す。カンゾー県に入ってからの道はずいぶん広い車線の道路が整備されている、が、路面の状態は正直あまり良くない。補修予算が足らないのだろう。
カンゾー県の南端・4月30日海岸には海鮮市場が併設されており、買ったものをその場で調理して(といっても、茹でるか焼くかくらいしか選べないが)食べることができる。今回はカニ400gシャコ500gで170千ドン。それにビールとニンニクチャーハン(一番安い。20千ドン)をつけてもらった。
今回ここに来たのは海鮮以外にもう一つ目的がある。このカンゾー県の先端から、ホーチミン市から120kmとバイクで行くには少々遠いブンタウまで舟が出ているらしいのである。それを確認してみたいのだ。
そもそも4月30日海岸から、ブンタウの山が見えるのである。腹ごなしに海岸沿いのカフェのハンモックで少々休憩してから、googlemapにある船着き場を目指す。
船着き場はあった。しかし残念ながら看板によれば、この渡しはたったの1日2便であった。よほど客がいないのだろう。
※2021年4月追記:あたらしくカンゾー県からブンタウまでの高速船が就航しています→記事へ
(続く)