2026年2月の読書記録

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2月はノンフィクション 6冊、フィクション8冊で合計14冊。まんが7冊を加えて21冊でした。

 

ノンフィクション(6冊)

💰 📔『代表制民主主義はなぜ失敗したのか』/藤井達夫/集英社新書
★★★★★
購入💰 。「アベ以降」の日本で左派をやっていた人間、また高市の登極に怒りを覚えている人間にとって必読レベルの本だと思う。高度な内容ながら、順を追って丁寧かつじっくり説明されているので読みやすい。しかし中国同様の共産党一党独裁でありながら国政選挙投票率が95%を超え、「自国は民主主義国だと思うか」のアンケートで日本をはるかに超えたポイントを叩き出しているベトナム在住の私としては、筆者が「西側代表制民主主義」のオルタナティブである「中国型メリトクラシー」を「危険なもの」と捉える根拠の薄さが気になった。まぁ今の習近平独裁が人民の自由をかなり抑えているのは確かだけど、「中国型メリトクラシー」への「いざ政府が間違ったときに民衆による政権交代ができない」という批判は、西側民主主義自体は機能していないという本書の趣旨から言えば無意味なのでは?

私の考えている代表制民主主義の姿はこちらのサイトをご覧ください → 共和国日本


 

📔『16テーマで知る 鎌倉武士の生活』/西田知弘/岩波ジュニア新書
★★★★☆
タイトル通り。世間的には「男衾三郎絵巻」の描く、首刈り族のような武士の残酷な面についての説明が面白いかも。私は「鎌倉武士の人生」「鎌倉武士の教養」「鎌倉武士の娯楽」「暴力と信仰」の章が面白かった。


 

📔『戦国大名と分国法』/清水克行/岩波新書
★★★★★
高野秀行氏とも対談集を出している清水氏、さすが面白い。普段は中世史の、それも下級武士~一般庶民から見たあたりの歴史を専門とする著者が、下野結城氏、奥州伊達氏、近江六角氏、駿河今川氏、甲斐武田氏の分国法をユーモアたっぷりに読み解いた本。畿内近くの大勢力であるのにあまり語られることのない六角氏についてが特に面白かった。「分国法があることが戦国大名の特徴だ」というこれまでの定義にもしっかり疑問を挟んでいるのは興味深い。また身も蓋もないオチが待っているのも本書の特徴。KindleUnlimitedで読んだが購入してもいいくらいの本。


 

📔『俳句の来た道』/藤田真一/岩波ジュニア新書
★★★☆☆
俳句の歴史を交えながら、松尾芭蕉、与謝蕪村、小林一茶の3人を通して俳句を語る本。いままで蕪村にはあまり馴染みがなかったが、この人の俳句はいいですね。


 

📔『山のミステリー』『山小屋主人の炉端話』/工藤隆雄/山と渓谷社
★★★☆☆
「聞き書き・山の不思議話」といった感じの気軽な読み物です。暇つぶしに丁度いい。


 

フィクション(8冊)

📔『北条氏康 巨星墜落篇』/冨樫倫太郎/中央公論社
★★★★★
購入💰 。「北条サーガ」もこれで10冊目。『北条早雲』5巻と『北条氏康』の「大願成就篇」「二世継承篇」までは傑作だったと思うのだが、「川越夜襲編」で少しパワーが落ち、「関東騒乱篇」は正直あまり面白くなかった。んが、今巻は面白かった。舞台は永禄5年? 今川氏真が元康対策で集めた金でなぜか北条の太田資正討伐に助太刀をしてきたあたりから、第二次国府台の戦い、氏康の死、三方原を経て信玄の死まで。甲駿相3国同盟の崩壊の様子・流れがよくわかった。このまま北条5代滅亡まで描くんでしょうか?

ところで最近の円安のおかげで、2000円を超える本が比較的気軽に買えるのはいいですね。


 

📔『梅雨物語』/貴志祐介/角川ホラー文庫
★★★★☆
タイトル的には上田秋成の「雨月物語」のオマージュか。老人のあやふやな記憶・夢と呪い・幻覚をテーマにした3本の幽玄的な中編ホラーミステリ集。かなり面白く読めました。


 

📔『秋雨物語』/貴志祐介/角川ホラー文庫
★★★★☆
同上。4編収録。こちらは幽玄的ではなく、SFっぽさあり、デスゲームっぽさありの内容でした。


 

📔『逆さ星』/貴志祐介/角川ホラー文庫
★★★★★
貴志祐介は当たりハズレが結構大きいのだけどこれは当たり。戦国時代から連なる地方の旧家で起きた猟奇殺人事件。原因は呪い。しかし最初の事件の描写ゼロ・説明ゼロでストーリーが始まるのが緊迫感&新しさがあっていい。ホラーに見えて実は呪物同士の異能力バトル(?)なので夜中に読んでもトイレにいけなくなる怖さではない。


 

📔『クリムゾンの迷宮』/貴志祐介/角川ホラー文庫
★★★★☆
デスゲームものでした。ただオチはちゃんとついていて良かった。でも主催者、モトとれるのか? こういうデスゲームもので思うんですが、主催者から与えられたミネラルウォーターのボトルが何語で書かれていたとかそういう情報を主人公が気にしないのってなんででしょうね? 意識を失わされてゲームに投入された人間からしたら、それって今自分がどこにいるかの最重要情報になるとおもうんですが。そういう細かい所のリアリティがほしい。


 

📔『看守の流儀』/城山真一/宝島社文庫
★★★★☆
刑務所を舞台にした、刑務官と囚人の連作短編。これはジャンル的には「人情もの」だろうか。犯罪ものではあるがサスペンス的な要素は薄い。最後に叙述トリックのどんでん返しがあるが、ミステリーというわけではない。まぁ面白かったですが。


 

📔『モップの魔女は呪文を知っている』『モップの精と2匹のアルマジロ』/近藤史恵/実業之日本社文庫
★★★★☆
一見非常識だが実は物事をわきまえた人情派の若い女性が探偵役、というのはやっぱり北村薫の「覆面作家」シリーズに似ていますね。


 

まんが(7冊)

📔『新九郎奔る』22/ゆうきまさみ/ビッグコミックス
★★★★☆
今巻は足利義材の逃亡が東国にも伝わり、いよいよ幕府はあてにならぬと腹をくくった新九郎が、茶々丸に不満をもつ政知奉公衆を糾合。史実通り葛山氏から側室をとるエピソードも描かれ、いよいよ伊豆討ち入り直前、というところまで。笠間八郎と伊勢九郎盛利の夜間逃亡シーンがカラー口絵になっていたのがよかった。

なおWEB連載では堀越御所討ち入りと茶々丸を討ちそこねたところまで描かれている。史実通りであれば茶々丸はこのあと数年かけて、伊豆、伊豆大島、山ノ内上杉方、甲斐武田方と逃亡を続けるので、物語としてはここで終わらせるわけにもいかないよなあ。ゆうき氏、どこまで描くつもりなんだろうか。この先の大きな事件だと小田原奪取、三浦氏滅亡、房総出兵、早雲の死、と続くわけだが、小田原奪取までだけでもあと単行本5冊はかかるんじゃないだろうか。


 

📔『らーめん再遊記』14/久部緑郎・河合単/ビッグコミックス
★★★★☆
語り手・作り手対決3番勝負の2番めまで。


 

📔『怪奇探偵 写楽炎5 セミ男』/根本尚/文藝春秋
★★★★☆
5巻がでるまでかなり間が開いた。この作者、ヘタウマというよりヘタヘタなのだが、そこに味があってぎりぎりの面白さを保っている。


 

📔『センチメントの行方』1~4/榎本ナリコ/幻冬舎コミックス
★★★★☆
90年代末の作品『センチメントの季節』はなぜか私はキツくて読めなかったのだが、その現代版。WEB連載ということで『季節』にくらべて性描写がどぎつくなっているのだが、なぜか本作は普通に読めた。俺が歳をとったからか?


 

年間累計

ノン
フィクション
フィクション 非まんが計 まんが 月の総計
2026FEB 6 8 14 7 21
2026JAN 3 8 11 3 14
2026ALL 9 16 25 10 35
2025ALL 68 90 158 84 242

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