2026年3月の読書記録

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3月はノンフィクション 12冊、フィクション3冊で合計15冊。まんが2冊を加えて17冊でした。

 

ノンフィクション(12冊)

📔『洞窟ばか』/吉田勝次/扶桑社
★★★★☆
かつて角幡唯介は「地上にもう未踏の地はなくなった」と言っていたが、そうだ洞窟があるじゃないか。本書は建設会社を営みながら洞窟探検に血道をあげている著者氏による紹介系ドキュメンタリー。おバカでよい。私の住むベトナムにも特に中北部には鍾乳洞などがたくさんあって、著者氏も行ったフォンニャ・ケバンのほかに、ソンラ省やニンビン省の鍾乳洞も行ったことがあります。


 

📔『冷酷 座間9人殺害事件』/小野一光/幻冬舎アウトロー文庫
★★☆☆☆
座間市で若い男が、女性を中心につぎつぎと9人を部屋に誘い込み、殺し、遺体をそのまま保管していた事件のルポルタージュ。加害者への接見をメインに語られているのだが、途中で面会拒否になっているし、被害者側のインタビューがほぼ行われておらず、かなり内容的には不満。


 

📔『ルフィの子どもたち』/週間SPA!編集部/扶桑社
★★★☆☆
フィリピンの牢獄から指示を出し、「闇バイト」に募集してきた人々に強盗をさせていた「ルフィ事件」のドキュメンタリー。私もこの人生の途中、かなりやさぐれていた時期があったので、こういう半グレ社会に接近してしまう人たちのことは、なんとなくわかります。


 

📔『津波の墓標』/石井光太/徳間文庫カレッジ
★★★★☆
今年も3月が来ました。東日本大震災発生直後の現地ルポ。


 

📔『国民の底意地の悪さが日本経済低迷の元凶』(幻冬舎新書)、『日本はもはや後進国』(秀和システム)/ 加谷珪一
★★★★☆
『国民の底意地』のほうは💰購入。日本経済の低迷を、いや、日本の「生産性の低さ」「効率の悪さ」を、日本人の「前近代性」が原因だと斬る一冊。タイトルでは「底意地の悪さ」と煽っていますが、実際には日本社会の「前近代性」についての嘆きがメインです。「限られた資源で閉じた社会で生きなければならなかった全近代的社会ではどうしても人々は足の引っ張り合いをせざるを得ない→底意地が悪い」というロジック。こういった面においては、途上国とはいえ社会主義で、かつヨーロッパの影響も日本より強く、なにより「大陸国家」であるベトナムに住んでいても非常に強く感じます。ジョン・ロックは「軍隊では指揮官は兵士に死地に行く命令を出せるが、兵士の財布から1ペニーたりとも奪うことはできない」と言ったそうだけど、この「個人の尊重」がいまだに日本では理解されていないこと、商取引の慣習の古さから「中間マージンをとるだけの会社」が大量に存在していること、などなどを挙げています。


 

📔『盗撮をやめられない男たち』/斎藤章桂/扶桑社
★★★☆☆
私のドキュメンタリー2大好き好きジャンルは「生死をかけた冒険(とくに雪山)」と「精神変容(特に薬物)」です。本書は性依存症のうち、「盗撮」に的を絞った本。その行為の原因、行為を補強する社会の問題、どのように治療していくべきかについての総合的な入門書です。


 

📔『ボーダー 移民と難民』/佐々涼子/集英社インターナショナル
★★★★☆
日本における移民・難民、また日本への「労働者送り出し」についてのルポ。いままでもネット等で日本の入管のひどさは聞き知っていたが、あらためて読むと、一部の人の叫ぶ「入管解体」もむべなるかな、と思わされる。またベトナムで日本へ働きに行きたい人向けに日本語教育を行っている自分の立場としては、大して能力もない、日本語もヘタクソなベトナム人が、日本からの帰国後に賃金格差で働く気力をなくし、「日本に行って稼いだ」というひとつだけを根拠にして名ばかりの「日本語センター」を立ち上げ、田舎の人を騙して日本行きのマージンを取っているという現状に対しては忸怩たる思いです。うちの妻のような成功例もいますが(高卒→工場勤務→日本語学習→技能実習3年→帰国後も日本語学習を続け名のある日系企業に就職→夜間短大を出てキャリアアップ)。


 

📔『エンジェルフライト 国際霊柩送還士』/佐々涼子/集英社文庫
★★★★☆
海外で亡くなった日本人、厳密には海外で亡くなり日本に遺族がいる日本人、の亡骸を、現地の葬儀社と交渉し、また運搬し、また遺族に会わせられるように処置する特殊な葬儀社・「エアハース・インターナショナル株式会社」のドキュメンタリー。私も海外在住だが、もし仮に万が一、両親よりも先に自分が亡くなることがあれば他人事ではない話。いやおれも妻もカトリックだから遺体は焼かないのか? 妻に聞いたら焼いても焼かなくてもどっちでもいいそうだ。うーん、遺言書作っておかないとな。


 

📔『日本語は空気が決める ~社会言語学入門』『語彙力を鍛える ~量と質を高めるトレーニング』/石黒圭/光文社新書
★★★☆☆
「日本」「空気」といっても山本七平とは全く関係ない。前半の「社会言語学入門」的な部分は興味深く読めたが、後半の「日本語における実例」部分は正直つまらなかった。もっと他の言語と比較してくれたらおもしろかったのに。『語彙力を』の方も同じで、前半の「語彙増強のためのアイデア」は日本語教師として頷きながら読めたが、後半は「そんなの知ってるよ」なことばかりだった。


 

📔『鉄道旅行のたのしみ』/宮脇俊三/角川文庫
★★★★☆
宮脇俊三が何冊かKindle Unlimitedに入っていたので。宮脇俊三、昔はなんとなく敬遠してたんですよね。でも面白い。この人、名編集者でもあったのか。しかしこの本、私が9歳くらいのときの本だなあ。国鉄民営化の4年くらい前の時代の話です。

エッセイだけど一応ノンフィクションに入れておきます。


 

フィクション(3冊)

📔『極楽征夷大将軍』/垣根涼介/文藝春秋
★★★★☆
💰購入。足利兄弟(尊氏、直義)と高兄弟(師直、師冬)を主人公に置き、後醍醐帝の倒幕計画から観応の擾乱までを描いた歴史小説。その動機・行動に不可解な点が多い足利尊氏を「何も考えていない『極楽どの』」として描いている。従来の史観では尊氏のことを「うつ病だったのでは」と捉えるのが多いのとは真逆の発想。室町後半の歴史が好きな人間としては、あー、上杉家ってこのころから権勢を得始めたのか、みたいなこともわかって面白く読めたが、尊氏のこの人物設定のままで観応の擾乱までを描くのは若干むりがあったような。尊氏が変わっていくきっかけが「本を読むようになったから」というのは弱すぎる。あと地の文で誰の視点か分かりづらいところが結構あった(師直ベースだと思うんだけど)。


 

📔『ある映画の異変について目撃情報を募ります』/海藤文字/スターツ出版
★★☆☆☆
とある「モキュメンタリー」映画の視聴から魔に取り憑かれて死ぬ人が続出して……というホラー。つまらなかった。


 

📔『罪の余白』/芹沢央/角川文庫
★★★★☆
いじめによる、限りなく殺人に近い自殺を、主に娘に死なれた父親の視点から描くサスペンス。面白買ったけど若干深みがたらない。


 

まんが(2冊)

📔『こわいやさん』3/カメントツ/ジャンプコミックス
★★★★☆
💰購入。


 

📔『ファミレス行こ!』(下)/和山やま/ビームコミックス
★★★★☆
💰購入。上巻から2年半くらい経ってようやく下巻。そういえば『女の園の星』ももう3年新刊でていないぞ。面白かったけど、私はこの作者にBL的なものは求めていないのでビミョーなところもある。


 

年間累計

ノン
フィクション
フィクション 非まんが計 まんが 月の総計
2026Mar 12 3 15 2 17
2026FEB 6 8 14 7 21
2026JAN 3 8 11 3 14
2026ALL 21 19 40 12 52
2025ALL 68 90 158 84 242