ウドン(Oudong)へ②
※地図と旅程はこちらを参照。
ミニバンは国道5号線を北上していく。道路は比較的整備されており、風景はベトナムの郊外とたいして変わりがない。30分ほど走ると、左手にウドン山が見えてくる。
5号線がトンレサップから左に逸れてしばらく行くと、ウドン山へ向かう道との三叉路で「ウドンだ」とミニバンから降ろされた。ウドン山への道には立派な山門もある。まずはバイクタクシーのたむろしているカフェに入り、カフェタッコー(アイスコーヒー)2000リエル也を頼んでしばし休憩。ホテルの横の飯屋より500リエル安い。
砂糖がジャリジャリ残るカフェも飲み終わり、バイクタクシーに声をかけてウドン山までやってもらう。この時バイタクから提示された額は5000リエル。つい4000リエルに値切ってしまったのだが、これはあまり良くないことだったようだ。というのも、我々外国人には「4000リエル=1ドル」という頭があるので、つい4をキリのいい数字だと思ってしまうが、カンボジア人にとってはそうではないのである。ふつうに5のほうがキリがいいし、そもそもクメール語の数字は5進数の名残が強いのだ。1がムイで5がプラム、そして6はプラムムイなのである。
バイクにまたがり山門を抜け、コンクリート舗装の道をウドン山の入り口まで向かう。途中で「外国人は1ドルを払うこと」というゲートがあったが、運転手は普通に無視して走り抜けていった。
ウドン山の麓は観光客目当ての、といっても外国人目当てではない、ふつうのカンボジア人向けの市場が賑わいを見せていた。3000リエルで清涼飲料水を1本買って、何も考えずに参道の階段を登る。なんだか「外国人は金を払え」というような看板が見えた気もするが……。
しばらく黙々と参道の階段を登る。お供え物売りの少女達がいたので花と線香を買う。2000リエル也。なかに一人ベトナム系の子がいたので少々世間話でもと思ったが、あまり会話は通じなかった。
少女たちが持っていた、オウギヤシ(?)の葉を丸のまま活かして作った機能美あるれるウチワ。下山後に2000リエルで買ったが、ベトナムに持ち帰ってみても、周囲のみんなが「美しい」とこれを欲しがった。次回、それなりの数仕入れてこようかと思うほどである。仕入れ値900リエル(5,000ドン)だとして、10,000ドンで売るとすれば、100枚仕入れて500,000ドンの儲けか。
このウチワとは関係ないが、階段を登りきるあたりでバテていると、少年2人が「扇いでやる」と私の扇子を奪い、交代しながらしばし全力で扇いでくれた。金稼ぎ半分、遊び半分だろう。500リエルやった。
(続く)