ロンビエン駅からハイズオン、そして結婚式に参加。

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※このときのレートは、1ドル=23千ドン程度です
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以前からそうだが、今回もベトナム国鉄のきっぷは予約していない。ハノイ~サイゴンの寝台車両などならともかく、支線(今回乗るのはハノイ~ハイフォン線)の普通列車は駅で切符を買えばすぐに乗れる。ロンビエン駅から、結婚式場に近いと聞いたカムジャン駅(Cẩm Giàng)まではエアコン付きソフトシートで1人40千ドン。改札ではきっぷに印刷されたQRコードを係員がチェックするのが普通だが、今回はろくに改札もなくホームに出られてしまった。

 

ロンビエン駅はまちなかの駅なのでとても小さい。私の乗る車両は10両目ということで、延々と高架の線路脇を歩くことになった。ちなみにこのロンビエン駅からは、ハノイの北のタイグエン省への路線に一度乗ったことがある。

 

線路脇では行商のおばさんがパンなどを売っている。彼女らは駅員に賄賂など握らせて入り込んでいるのだろうか。

 

 

ソフトシート車両はとても快適。2時間ほどの旅程だが、30分くらいはうとうとできました。


今回の作戦としては、カムジャン駅の近くでとりあえず宿を見つけてチェックインしてしまい、結婚式場までは宿でバイクを借りるかバイクタクシーで移動、という考えであった。しかしこのカムジャン駅、あまりに田舎すぎて、駅前に宿屋の一軒もないし、タクシーの1台も停まっていない。白タクは1台いたので結婚式のある村までいくらか妻が聞いてみると、150kドンという暴利を言ってくる。ここで「全国ネットのマイリンタクシーを呼んで、宿のある大きめの集落まで出る」という作戦に切り替えたのだが、妻が「こんなところにマイリンはいない」と言い出してぐずり始める。いや、マイリンはベトナム最大の総合運輸会社である。いくらここが田舎であると言っても、ハノイとハイフォンを結ぶ大街道の脇なのだから、電話で呼んで来ないはずがないのだが、結局妻は客引きをしてきたバイクタクシーに、9km先のクイズンの街(ハノイーハイフォン街道沿い)まで1台60千ドンだと言われて承諾してしまった。

しかも途中でバイクタクシーに「近くに宿を知っているから」と言われたようで目的地を変更。一旦駅の前まで戻ると……。

はい、マイリンタクシーが駅から出てきましたよ……。

さらに、その「近くの知っている宿」(実質ラブホテル)までわずか4kmほどだったのに、「途中で目的地を変えたから」と2台120千ドンのところ、150千ドン払ってしまう……。

はい、もちろん犬も食わない喧嘩になりました。

私はこれまでベトナム各地を100箇所近く訪問し、90箇所以上で宿泊経験がある。自慢ではないが、ベトナム人でも私ほど「ベトナム国内旅行」の勘がある人間はそうそういないはずだ。しかし残念ながら、私のベトナム語会話はそんなに流暢ではない(筆談ならいいのだが)。逆に妻はもちろんベトナム人なのでベトナム語はペラペラなのだが、これまで旅行といえる旅行の経験がほとんどない。車をチャーターしていく親戚一同旅行くらいしか知らないのである。だから旅行先ではこういったことで喧嘩になることがどうしても多い。はー。私がもっとベトナム語ペラペラになるしかないのか……。


泊まることになった宿はなんと1泊120千ドン(550円)。私史上でも4番目か5番目に安い宿である。宿の親父に今回の経緯を散々愚痴って、バイクを貸してもらえるか聞くと駄目だという。客にバイクを貸したことなんかない、夜は暗くて危ないし、と言い張る。しかたなしにチェックインし、とりあえず荷物を広げてシャワーを浴びる。結婚式は18時半頃からだというので、18時過ぎに白タクを呼ぶことになったのだが、その白タクも結婚式場まで5kmほどしかない道を100千ドン取るという。このあたりではそもそもタクシーという物自体がマイナーなんだろうなあ。諦めるしかなさそうだ。


結婚式は村の民家で行われるのだが、なんとその村、個々の家に番地がないのである。運転手曰く「この辺だと○○集落の××さんの家、で通じるから」とのことであるのだが、まさかそんな村が平地にあるとは。よく言われることだが、ベトナムでは首都ハノイ周辺を始めとする北部よりも、サイゴンを中心とする南部のほうが「サービス精神」「便利さを求める気持ち」が高い。資本主義を十分に経験しているからだとか、そもそも豊かだからだとかいろいろ言われる。

 

結婚式は、田舎の民家でむりくりに開催しているためか、カラオケ会場と飲食会場が別で、飲食は入れ替え制というものであった。しかも今日この2日目の宴会には新郎は来ないという。「これが北部のしきたりだ」と多くの人が言っていたが、どうもこの村周辺だけのしきたりらしい。

 

宴会料理は南部も北部も変わりませんね。

 

高級感を出すためか、結婚式などではよくベトナム航空のナプキンが使われます。横流しルートがあるんだろうなあ。

 

食事が終わるとすることもなくなる。超大音量のカラオケ会場にいるのもつかれるので会場を抜け出して村をぶらぶら。近くにあるらしいブラザーのプリンター工場の求人広告を読むなど。

「基本給4.3trドン(1trドンは4500円程)、補助0.98trドン、夜勤5割増、寮(洗濯機、台所、娯楽室あり)、18歳~45歳、女性は小卒以上、男性は中卒以上、工場はエアコンあり、セキュリティゲートなし。残業30時間+土曜日2回出勤で7.7~8.2trドン」とのこと。うーん。やはり残業しまくって月収4万円行かないくらいですねえ。

 

お幸せに。

(続く)