Amazonの荷物はベトナムに届くのか?

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ベトナムは言わずと知れた社会主義国です。いわゆる「自由主義圏」ではありません。このため当局は海外から入ってくる文物に比較的厳し目のチェックを行っています。ベトナムに入ってきた貨物は当局の手で開封・チェックされることも多いです。

私は10年以上前、このことを知らずに日本からベトナムの知人に荷物を送ってしまい、「大変うれしいのだが今後はやめてほしい」と言われてしまったことがあります。受取にかなりの面倒があったうえに、費用も結構とられてしまったのでしょう。

なのでベトナムにものを送るときは「中古品や個人的な記念品であり価値はない」旨明記しないといけないし、実際に価値の高いものは送らないほうが良いいのです、ええ、知っていましたとも。

ところが、どうしても欲しい本があり、またネットでみてみると「amazon.jpから普通に個人輸入できた」というような話も最近ちらほら見かけるので、「最近は結構OKなんじゃないのかな?」と思って購入に踏み切ってみました。Amazonも「配達可能」と言ってるし。


購入したのは漫画4冊。まぁここではタイトルは言いません。総額にして5300円。これに対して Amazonの配送料が2100円で、合計7400円。日本企業駐在員などではなく、ベトナムローカル企業勤務の私としては、結構思い切った買い物です。これだけのお金を出しても読みたかった。辛楚いかばかりか汲み取りたまへ(←これで何の本かわかった人はエライ)。
 


注文日は3月13日。14日には大阪から発送されました。「4月1日配達予定」だそうです。
 



15日には香港経由でベトナムに着きました。また同時にDHLよりSMSで通知が来ました。予定では「配達日3月21日予定」だそうです。あれ、余裕じゃん……
 


また、「必要な情報があるのでWEBサイトから入力するように」とも連絡が来ました。WEBサイトにアクセスしてみると「あなたが買ったことを証明するために領収書を送れ。写真でもスクショでもいい」とのことでした。
 


……ところが、ここから Clearance Event, Shipment hold(通関作業・配達保留)が延々と続くようになりました。
 


4月5日になってようやく Status Update とのメッセージが。
 

その後また Clearance Event, Shipment hold(通関作業・配達保留)になりましたが、9日には Clearance Prossessing Complete となり、配達店に送られました。
 


ところが! 関税と倉庫保管費・通関作業費を払えとのメールが。その額なんと 1,224,102ドン。日本円にして6836円! えええええ! Amazonの運送費+関税+DHLの手数料の合計が、本来の商品代金の 1.68倍にもなりました! どうもDHLで通関に4日以上かかった場合、宛名ひとつx荷物1kgあたり1日55,000ドンの作業費が発生するとのこと。

この支払いは配達時かな? と思っていたのですが、しばらくすると「下記に振り込んでください」との連絡が来ました。振り込むと翌日には配達され、荷物には到底解読不能なレベルに複雑な「関税+諸経費計算表」がついていました(すぐ捨てました)。荷物自体は開封されてはいませんでしたが。
 

というわけで……。途中DHLから「政府の専門部局の特別な輸入許可が要るためにDHLは通関のため努力をしています」のような連絡があったこともあるので、やはり「新品書籍の個人輸入」は危険だなーというのが実感です。日本で誰かに買ってもらって「中古品」として、他のもの(古着とか)と一緒に送ってもらうのがよさそうです。輸入代行業者さんなんかはどうなんでしょうかねえ?