11月の読書記録
11月はノンフィクション 5冊、フィクション11冊で合計16冊。まんが4冊を加えて20冊。
ノンフィクション(5冊)
📔『8がけ社会 消える労働者 朽ちるインフラ』/朝日新聞社取材班
★★★★☆
しっかり取材して書かれています。特に地方ではすでに「8がけ社会」が始まっている話は衝撃的(交通インフラを更新できないとか)。まぁわたしは外国人労働者を日本に送り出している仕事をしているので、現場の悲鳴は聞こえてきています。ほんと、どうすんですかね日本。
📔『空白の日本史』『最期の日本史』/本郷和人/扶桑社
★★☆☆☆
本郷和人、すっかりタレントみたいになって書きまくってますね。しかもほのかにネトウヨ臭がする。まぁ東大史学科ですからねえ。専門外では明らかに間違ったことも言っているが、新たな知見もあり
・「関東」という語が使われ始めたのは700年ごろ、「関西」という語が使われ始めたのは明治以降
・宋銭の日本への輸入は、日宋貿易の帰路に船のバラストとして行われた(確かにそれはありそう)
📔『マタギ奇談』/工藤隆雄/山と渓谷社
★★★★☆
マタギに関する聞き書き集。民話のようなものです。
📔『海に生きる人々』/宮本常一/河出文庫
★★★★☆
宮本常一はこれまで全然読んだことなかったのでチャレンジ。まだ半分くらいしか読んでいませんが。本作と『塩の道』『忘れられた日本人』『山に生きる人々』あたりは読んでおきたかった。
フィクション(11冊)
📔『東京難民』(上下)/福澤徹三/光文社文庫
★★★★☆
一寸先は闇、底板一枚下は貧困、という現代社会らしい小説。主人公の若い大学生は、父の会社の破綻、授業料未納、安易なアルバイト選び、ギャンブル、友達や恋人の軽視などから転げるように底辺、半グレ社会、貧困へと落ちていく。そんな彼が最後にたどりついたホームレス社会にいたのは、大学生時代に「不吉の象徴」として馬鹿にして見下していたホームレスの男だった。ジェットコースター的転落小説。途中、工事現場のタコ部屋で一緒になったオッサンの一人の方言が、「これ絶対わざとだろ」というくらいに「尾張弁、西三河弁、東三河弁」がごちゃまぜで、愛知県出身の私としては笑えました。
📔『羊の国のイリヤ』/福澤徹三/小学館文庫
★★★★☆
こちらも「ジェットコースター的転落小説」。中規模食品メーカーの広報部で働く中年サラリーマンの主人公は、ワンマン社長の不正を内部告発しようとするが逆にハメられ、関連企業の現場職に飛ばされ、パソコンに仕込まれた動画ファイルから自動ポルノ法違反で逮捕され、またAV出演契約詐欺で苦境に陥った娘を助けたいあまりに留置場で知り合った人脈から闇社会に落ちていく。
📔『孤老たちの沈黙』/福澤徹三/光文社文庫
★★★★☆
同じ作者の短編集。同工異曲ですがまぁ面白かったです。
📔『紙鑑定士の事件ファイル 偽りの刃の断罪』/歌田年/宝島社文庫
★★★★☆
先月読んだシリーズの続き。 日常の謎系ミステリーです。
📔『舌は口ほどに物を言う 漢方薬局てんぐさ堂の事件簿』/塔山郁/宝島社文庫
★★★★☆
これも先々月だったかに読んだシリーズの続き……とは違うのか。まぁ同じような日常の謎系ミステリーです。
📔『旅立つ君に送る物語』/藤山素心/双葉文庫
★★★☆☆
職場に、また業界自体に嫌気がさして老人介護施設を退職した主人公は、自分がかつて担当した施設利用者が、余命幾ばくもなく体の自由も効かずお金もなかったはずなのに、とある謎の介護施設に入ったことにより、「人生最後の夢」のイタリア旅行を成し遂げていたことを知り、また自らもその、「莫大な資金を使い最後の夢をかなえる終末ケアホーム」で働くことになる。
うーん、最後「金」で全部話のオチがついちゃうのは嫌いです。作風としては面白かったんですが、一発ネタですね。
📔『モップの精は深夜に現れる』『モップの精は旅に出る』/近藤史恵/実業之日本社
★★★★☆
これも以前に読んだシリーズの続き。日常の謎系ミステリー。おっと、以前に読んだのとこの2作の間にまだ2冊あったらしい。来月読もう。
📔『美味しい診療所の魔法の処方箋』1,2巻/藤山素心/双葉文庫
★★★☆☆
うーん、なんだろこれ。アラサー女性向けジュブナイル? ラノベ? ドジでなんの取り柄もないアラサー女性がイケメン揃いの「医食同源診療所」で隠れていた才能を見出され活躍するという内容。ライト。オトメの夢。
まんが(4冊)
📔『幸せは食べて寝て待て』6/水凪トリ / 秋田書店
★★★★☆
作者自身「あまり考えなく書いている」と言っていますが、どういうオチになるんですかねえ。「るきさん」みたいになったら面白い。
📔『あかね噺 』19巻/末永裕樹、馬上鷹将/ジャンプコミックス
★★★★☆
週刊漫画雑誌の異様な刊行ペースが大嫌いなんですが(サステナビリティ的に)、どんどん面白くなるのでしょうがない。
📔『山と食欲と私 』20巻/ 信濃川日出雄/ バンチコミックス
★★★★☆
20巻にしてようやく話が動き始めるか? いやでも主人公が若い女性で、恋愛話がはじまるのが「話が動き始める」こと、というのは問題だな。やっぱり最後は雪のヒマラヤで行方不明になってほしい。ゲリラと一緒にK2の頂に消えてもいい。
📔『大乱 関ヶ原』6巻/宮下英樹 / リイド社
★★★★☆
完結。なるほど、関ヶ原の戦いは「大決戦」でもなんでもなく、「どちらも想定していなかった前哨的な遭遇戦」が、政治的原因で歴史の大変化点になっちゃったものだったんですなあ。本作の家康は、50年修羅場をくぐり抜けてきて周りに並ぶものない知恵者となってしまい、それがゆえの苛立ちあり、失敗ありと、なんか身につつまされる存在でした。修羅の国日本で氷河期世代としてあらゆる業種のブラック企業で30年修羅場をくぐり抜けて、ベトナムのゆるーい環境の若い会社で働いている俺みたいで。
年間累計
| 月 | ノンフィクション | フィクション | 非まんが計 | まんが | 月の総計 |
|---|---|---|---|---|---|
| 01月 | 8 | 15 | 23 | 12 | 35 |
| 02月 | 3 | 7 | 10 | 4 | 14 |
| 03月 | 4 | 4 | 8 | 9 | 17 |
| 04月 | 9 | 5 | 14 | 3 | 17 |
| 05月 | 9 | 10 | 19 | 7 | 26 |
| 06月 | 9 | 2 | 11 | 3 | 14 |
| 07月 | 7 | 9 | 16 | 14 | 30 |
| 08月 | 6 | 6 | 12 | 12 | 24 |
| 09月 | 0 | 8 | 8 | 6 | 14 |
| 10月 | 5 | 7 | 12 | 4 | 16 |
| 11月 | 5 | 11 | 16 | 4 | 20 |
| 累計 | 65 | 84 | 149 | 78 | 227 |




















