ウドン(Oudong)へ③
※地図と旅程はこちらを参照。
階段を登りきるとまず見えるのが、この新しい仏塔と見晴らし台。ごく最近つくられたもののようで、まだピカピカ。
プノンペン周辺からベトナム南部にかけてのメコンデルタは一面の平野なため、標高600mというこのウドン山からの眺めはなかなかのもの。ベトナムのチャウドックのサム山や、アンコールボレイの山なんかを思い出す。
このおばさんが商っているのは、上座部仏教圏、とくにタイでよく見られる「放鳥」。カンボジアでもよく見られる。鳥などの動物を逃してやることで徳を積む、という考え方だが、わざわざ捕まえたものをまた逃がすのに何の意味があるのか……。ちなみにベトナムでも一部の寺院でみられ、また鳥ではなく魚を逃がすことも多いです。
建物の軒ぶぶんの装飾はタイでいう「エラワン」。3つの頭をもつ、神の乗り物の象である。
新しい仏塔のエリアから南に向かうとあるのが、この昔からの仏塔。塔のてっぺんに顔があるこのデザインは、なんだかミャンマーっぽいなぁと感じる。
道はよくない。ところどころで冷たい飲み物などは買える。水を買って飲もうとしたら、ベトナム語で「座れ座れ」と言われた。
かき氷屋さんもあった。値段を聞いておけばよかったかな、とも思うが、値段を聞くだけ聞いて買わないのもケチくさい。かといってこういう不衛生なものを食べるのも。
軍服を着た謎の像。ベトナム語で「誰やねん?」と独り言をいうと、堂守らしい老人が「ブッダだ」と英語で答える。いや、ブッダは軍服は着ないとおもうのだが……。
謎の塚があった。紙をヒトガタに切って飾るのはカンボジアでは葬式の象徴である。ベトナムでも仏教では墓に短冊を飾ることはあるが、ヒトガタにはしない。
最南端にあるのがこの巨大な仏像。これがウドン山のご本尊だそう。残念ながら本堂は修復中だった。
山を降りると、参道に干支を描いた絵と寄付を入れるザルがおいてあった。私の干支である寅に1000リエル札を入れておいた。
参道はちょっとした市場になっており、また高床式の休憩所で食事がとれるようになっていた。ここの名物は鳥の丸焼きなんだそうだが、一人で食べるには多すぎる。結局ジュースだけ飲んで、プノンペンへの帰路に着くことにする。おみやげには椰子砂糖を買った。
バイクタクシーでも拾って帰るのが筋なんだろうけど、なんだかハイになっていた私は、件の三叉路までの4kmほどの道を歩いて帰ってしまった。暑かった。日焼けしてしまった……。
三叉路の近くで遅い昼食をとって、ジュースを飲みながらバス待ち。バスはすぐに来て、プノンペンへの帰路となった。
(続く)