2月4日午後:歴史博物館周辺は食事も安い

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※この記事は旅行から帰った後に書いています。1万ドンは約56円でした。
※地図はこちらを参照。
 

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ベンタン市場は大まかに言って南面が衣服関係、北に向かうとお土産物コーナー、食事コーナー、生鮮コーナーと続く。観光客はほとんど来ない生鮮コーナーで水産品や肉類を眺めながら北門に向かう。びっしり並べられた蟹が水の国の豊かさを感じさせる。

 

北西の角のDVD屋で Thanh ThủyのCDを漁ったり、北面の果物売り場をひやかしながらしばらく歩き、統一会堂の南のグエンズー通りでココナツ売りの男に捕まる。1個5万ドンだ、などととんでもない値段を言うので、ベトナム語と英語で文句をつけると2万まで下がった。これでもまだ高いのだが、「こんな重たいもの担いで売り歩いてるんだから!」と嘆くのでその値で1個買い、世間話をしながらココナツジュースを飲む。

彼はそこそこ英語ができ、海外の情報もわかっているようだ。私が日本経済に関する愚痴を「20 năm nay, Kinh tế Nhật Bản xầu làm(この20年、日本経済は非常に悪い)」などと言うと、「そうそう、3年くらい前は1000エンは27万ドンくらいだったよね、今は18万ドンくらいじゃない」と返してくる。日本円だけで、また日本の報道しか聞かずに暮らしていると、ここ数年の円が「暴落」しているという感覚はなくなりがちだが、海外からは普通にそう見られている。

そのままパスツール通りをすぎ、4月30日公園まで歩く。1975年の4月30日、サイゴン陥落を記念して名付けられた公園だ。このあたりにはアイスクリームの行商などがいるはずなのだが見当たらない。安い飲み物を売っているような行商も見当たらない。目的地の歴史博物館までゆくバスも見当たらないし、トイレにも行きたくなってきた。たむろっていたバイクタクシーに声を掛け、Bảo tàng lịch sử(歴史博物館)と告げると3万だというが、値切って1万5千に。ほんの1km、しかも一直線だから1万でもいいくらいだ。

 

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歴史博物館につくと、昼休みは1時まででなく1時半までという。トイレだけを借りてから、時間を潰すために通り沿いの屋台でNước Mía(サトウキビの生絞りジュース)をいただく。サイゴンの1区だというのに、5千ドンと適切な価格にびっくり。Nước Míaは物価の優等生のようなもので、これが5千ドンで売られていればそのあたりは適正な物価が期待できるというモノサシになる。1区でもこのあたりまで来ると安いのだなぁ、と感慨にふける。

 

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歴史博物館はいままでなぜか訪問することができなかったが、今回は出発前にWikipediaで「オケオ」の記事を作成したこともあって、是非訪問したかった。入場料は1万5千ドン。館内の特設コーナーではなぜか「日本文化展」のようなものが開催されていた。係員に「Tôi thường viết bài viết về Việt Nam tại wikipedia Tiếng Nhật(いつも日本語Wikipediaにベトナム関係の記事を書いてる)」だとか、「Du lịch nay, Tôi sẽ đi Đồng bằng sông Cửu Long 1Tháng(この旅行で1ヶ月メコンデルタに行く)」だとか伝えたが反応は薄かったようだ。しかし、売店の売り子の女性は私がベトナム語をしゃべるのを随分喜んでくれた。

 

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館内には水上人形劇の舞台もあった。イタリア人に「これ上映はあるの?」と聞かれ、「いや俺も旅行者だ。日本人だよ」と伝え、一緒に係員に確認に行くと、2時半ごろから上映するという話だった。引き続き館内を見学していると係員が呼びに来て上映が始まった。

実を言うとこの水上人形劇も、有名なのに未だ見たことのないものだった。図らずとも「ガイドブックに載ってるのに、見たことなかったもの」を2つもクリアしてしまった。特にストーリーはなく、いくつかのシーンを細切れに実演といった感じだったが楽しめた。15分ほどの上映で3万5千ドン。

博物館敷地内の土産物屋には日本人もたくさんおり、物価のアドバイスなどをして少々話す。街角の売り子が売っているような古い写真ではない、きれい目な絵葉書があったので6枚購入して6万ドン。値切りには頑として応じなかった。日本人客があらかたいなくなってから、「うちのボスは日本人が好きじゃない」と売り子にとこっそり告げられた。確かに、さっきまでいた日本のおじさんたちの失礼さは目を覆うようなものだった。「子ども何人産んだんだ?」とか日本語で聞きながら腹を触るのは、失礼すぎだろう。

 

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時間は3時過ぎ。小腹が空いたので5千ドンのヌクミアを1杯テイクアウトし、近くのBánh mì(バゲットサンド)屋で1万2千ドンのBánh mì chả cá(揚げ魚のサンド)を食べる。このBánh mì屋はテーブルも椅子もお洒落な木製で、女将のファンシーさを感じた。タイ南部のハジャイでも同じような店でサンドイッチを食べたことがあり、こういった「森ガール」的なファンシーさが東南アジアにも広がりつつあるのかな、と思った。お茶もお代わりOK、お手ふきもトイレットペーパーではなかった。

 

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途中、クムホアシアナプラザ(韓国資本の進出はすさまじい)のロビーで休憩しながら công xa paris(パリ・コミューン)通りまで歩く。コンビニで4500ドンの水を1本買ってから、Nhà thờ Đức Bà(家祷徳婆=マリア教会)へ。「4時以降は立入禁止」の札がかかっていたが、「日本人のキリスト教徒だ」と告げ、中に入れてもらう。他の観光客への説明を聞くと、やはり礼拝目的でなければ入場は断っているとのこと。親切な老婆に聖書を見せてもらって、交読や賛美歌のあとに聖体拝領。司祭の方には、Tôi chưa được Baptesma(まだ洗礼を受けてない)と告げ、祝福だけしていただく。

礼拝後は地元の若者と、日本語・ベトナム語の「主の祈り」(ベトナム語ではKinh Lạy Cha)を教え合ったりして過ごす。教会を出ると、おそらくこの教会に養ってもらっているのだろう、知的障害者のような物乞いがいたので5000ドンを渡す。バイクの女性が寄ってきて肩をたたかれた。顔をみてみると、歴史博物館の売店の売り子だった。

 

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35番バスに乗ってホテルまで戻る(途中、降りる場所を過ぎたかと思って降りてしまったので2回分で1万ドン)。少し休憩してから近くのコープマートに。日焼け止め、虫よけスプレー、歯磨き粉(結局使わなかった)、髭剃りフォームなど、1ヶ月暮らす必需品を買って16万3千3百ドン。端数は請求されなかった。4年前に初めて来た時にはまだ200ドン札が現役だったのだが、もう廃止されたとの噂を聞いている。

店内は正月の買い出しで大賑わいだった。店の外に出ても、買い物済みで配達待ちの買い物袋が歩道だけでなく路上にまで溢れ、いつも混雑するこの周辺を、更に大混乱に陥れていた。近所のATMで200万ドン(手数料2万ドン込みで11608円)をおろす(手数料は別途200円)。ヨーグルトドリンクを飲みながら飯屋を探すが、安い飯とビール両方を出す店がなかなか見当たらない。そういうのは観光客エリアにしかないのだろう。グエン・チ・ミンカイ通りの北までいってようやく見つけ、肉飯に香腸も載せてもらい、ビールを2缶つけて7万ドン。ビールが1缶1万5千、飯が4万か。ベトナムでは追加のおかずを貰うと案外高いものだし、ビールも安い赤缶ではなく緑缶だったので適正価格だろう。疲れを感じたのでタクシーでホテル近くまで戻り1万4千ドン(案外、近距離ならバイクより4輪タクシーのほうが安いものだ)。9月23日公園を散歩し、ファングーラオ通りのコンビニで甘いものを買って3万9千ドン。ファングーラオではコンビニの店員も英語でしか話さず、寂しさを覚える。

 

この日使ったのは64万と500ドン、宿泊費32万5千ドンで合計96万と5百ドン、約5351円。1日50万ドンの計画からすると、この2日だけで85万近いマイナスだ。しかし大都会だから仕方がない。これから挽回しよう。