新大久保で買えるベトナム米麺食べ比べと一杯の原価

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アジア食材買い出しメモNấu bún gà nước(ベトナム語記事)の続きです。

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この2週間くらいで食べたベトナムの米麺4種のレビューです。現地で米麺の他に食べられているものとして、Miến(ミエン:春雨)、Mì(ミー:小麦と鹹水の中華麺)などがありますが、今回は米麺のみです。
 

これは専門の料理書などでも書かれていないことが多いのですが、乾麺はそのまま茹でては美味しくなりません。そのまま茹でると、中まで熱と水分が行き渡る頃には表面がデロデロになってしまい、到底食べられたものではなくなります。だから日本のインスタント麺は揚げてあったりフリーズドライだったりする訳です。
 

ベトナムの乾麺は干しただけのものですから、まずは水に浸けて戻す必要があります。戻し時間は夏でも少なくとも1時間以上、ついつい丸一日放置してしまっても大丈夫なので、朝ごはん用だったら前夜に戻しておくことをおすすめします。
 

十分に戻った麺は白色に変わって手触りもプルプル、乾いていた時のクセはなくなりサラサラの状態になるのですぐわかります。そして茹でるのはほんの30秒~1分程度、お湯にくぐらすだけで十分です。わたしの場合は、鍋に湯を沸かし具材にするモヤシを茹でながら、そこに水切り用のプラスチックのザルに入れたままの麺を入れ、菜箸で軽くほぐす程度です。

 

フォー(Phở)

 
ゆで時間:再沸騰後20秒
 
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フォーは日本では一番有名なベトナム麺ですが、ベトナムでこれを常食するのは北部だけです。南部では大都市ではそこそこ食べられているものの、地方に行くと観光客向けのちょっといい店でしか見かけません。鶏肉のフォー(フォーガー)、牛肉のフォー(フォーボー)など、なんでも合います。
 

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今回食べたのは、京都の領都産業が販売しているものです。幅3mm(実際は4mmに近い)、454g(約5食分)で295円でした。この製品はかなり緩めに麺が束ねてあるので、1食分だけを取り分けるのがかなり容易です。堅めに束ねてあるものはほぐすときにポロポロ折れてしまいますが、それがありません。
 

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掬いあげてみるとこんな状態。適度に透明に透き通り、つるつると喉越しよく食べられます。茹で時間をほんの30秒ほどで済ませれば、ある程度のコシも再現できます。
 

細麺のブン(Bún thon)

 
ゆで時間:再沸騰直前まで
 
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Bún thonという言葉があるわけではないと思いますが便宜的に。ブンは中部から南部でメジャーな麺です。汁麺にするほか、春巻きの具にしたり、サラダに使ったり、日本の冷やし中華のように汁なしで食べたり、つけ麺のようにして食べることもよくあります。この細麺タイプを汁麺に使うときは、ブンリウ(トマト入りのスープを使ったブン)や、チャーカー(揚げ魚)を乗せたもののような、脂っこいスープと合うような気がします。
 

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汁なし麺の場合は、このように冷やし中華風にしたブンティットヌォング(焼き肉ブン)で食べるようです。これはビンディン省アンニョン県で食べたものの再現ですが、胡麻ダレの味が日本の冷やし中華そのもので絶品でした。
 

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今回食べたのは、サイゴンの Hoan Tuan food製の太さ1mmもの。400gで320円でした。ブンは一般的に二つ折りにした状態で乾かしてあるので、1食分だけ取り分けるのは簡単です。
 

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写真がなかったので3本だけ湯通ししてみました。茹でても透明にはならず、ぷつんぷつんと弾力があり、噛み切る食感が楽しめます。
 

太麺のブン(Bún dày)

 
ゆで時間:再沸騰後1分~2分
 
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こちらもBún dàyという言葉があるわけでないと思いますが便宜的に。これはフエ名物のブンボーフエ(フエ式牛肉麺)用の2mmのものです(実際の現地では3-4mm程度のものもあります)。麺の太さ的にも、使う具的にも、これ実は台湾の牛肉麺(にうろうめん)と同じルーツのものではないかと思います。フエ名物とはいえ、ベトナム全土で普通に食べられます。
 

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今回食べたのは神奈川県の曽文商事のものです。400g268円。SBのマークがついた黄色いパッケージが目印。
 

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さすがに太いだけあってずっしりします。もしかしたら茹で時間が少し足りなかったのかもですが、非常にモッチモチな食感で、シンプルな鶏スープには合いませんでした。やはりこれは、牛脂たっぷりのブンボーフエにして食べるものですね。
 

フティウ(Hủ tiếu)

 
ゆで時間:再沸騰後直後まで
 
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フティウはカンボジアでも食べられている、南部、それも南部西域(ミエンタイナンボ:メコンデルタ地方)の麺です。実はわたしはこれが一番好きです(単に本場でたくさん食べているからそう思うだけかもですが)。原料にはタピオカ粉も使われていることが多いようです。

フォーと同じく平麺ですが若干厚みもあり、形状だけで言えば稲庭うどんに近いかも知れません。これもフォーとおなじく、ありとあらゆるスープに合うと思います。メコンデルタではモツ乗せ、精進料理風、魚介などを具にすることが多いようです。プノンペン風という意味の「フティウナンヴァン」が有名です。

今まで食べた中では、ドンタップ省サデーク市のちょっといい目のレストランの、柑橘類と砂糖で甘めに作った汁に絡めた汁なしのフティウナンヴァンコーが絶品でした。普段の旅行でもそういったいい目の店には入らないのですが、この時は雇ったバイクタクシーに昼飯を奢る約束をしていて、いい目の店を選ばれてしまったという……。
 

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こちらも曽文商事のものです。400g320円。最近、職安通りのアジアスーパーストアでも取り扱いを始めたので嬉しい限りです。
 

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綺麗に透き通って、プリプリでツルツル。いくらでも食べられそうです。フォーよりコシがあり、ブンよりツルツルの食感です。今度は汁なしのフティウナンヴァンコーを再現してみたいです。
 

ちなみに米麺のカロリーは23gで80kcal。うどんとほとんど変わりません。1食は、少食の人なら60-70g、普通なら90g程度ではないでしょうか。454g295円のフォーなら1食60円程度。いつも作るフォーガー(鶏のフォー)の原価を以前計算してみたところ、1食400円程度でした。

鶏……100g/99円の鶏125gで123円
海老……18匹/398円のバナメイエビ2匹で44円
もやし……1袋38円のもやし1/5袋くらいで7円
にら……2把100円のもやし1/4把くらいで12円
ライム……3個240円のライム1/3個(ヌクチャム用含む)で26円
香草……1把320円の1/8程度で40円
ホムデン(赤小たまねぎ)……500g680円のを20gで27円
スープのもと(タイ王国版クノールの鶏スープ)……95円の1/4で23円
干しエビ……80g380円のを2gで9円
筍……12本98円のを2本で16円
にんにく……3玉148円のを1/5玉で10円
乾麺……450g295円のを90gで59円。

東京のベトナム料理店でこれだけの具を乗せたものを食べると、1000円は行くでしょうね。