憲法を作ろう(シリーズその1・天皇)
4千キロほど離れた「あの国」にもはや未練はないのだが、やはり「反自民・半安倍、かつリベラル改憲派」の立場としては、憲法草案のひとつくらいは書いておくのが責務というものだろうと思い、かれこれ4ヶ月ほどかけて憲法草案を書いてみた。以下がその改憲案である。
新憲法案PDF(新しいウィンドウ)
これから何度かにわたって、この憲法草案について書いてみようと思う。
第一回はやはり、旧憲法の第1条である「天皇」だろう。私は天皇制反対派なので、当然ながら新1条は天皇制についてではない。民主憲法の第1条が「国民主権について」であるのは当然だ。新憲法に残る天皇に関する条項は下記の1項だけである。
第 6 条
1 すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。
2 天皇、皇族、宮家、王族、華族、その他の貴族の制度は、これを認めない。
3 栄誉、勲章その他の栄典の授与は、いかなる特権も伴わない。栄典の授与は、現にこれを有し、又は将来これを受ける者の一代に限り、その効力を有する。
なおこれは現憲法14条2項に「天皇」を追加しただけである。現憲法はかなり優秀なのだ。
私の天皇廃止論の理屈はこうだ。まず天皇に限らず、王という制度自体が国民主権の現代に於いては時代遅れである。そしてスペインやイギリスのように王が私有財産を持っているならまだ少々マシだが、日本の天皇は財産を完全に没収され、その収支は別として今は税金で養われている身であり、財政上の不公平にあたる。そして天皇家に生まれたというだけで職業選択の自由も、結婚の自由も、何もかも奪われてしまうのは完璧な人権問題である。
こんなもん、廃止するに越したことはない。日本の伝統? 日本は天皇なんぞ蔑ろにしてきた時代のほうが遥かに長いのだ。
変則的な紹介になるが、新1条はこうなる。
第1章 国家・国民
第 1 条
1 日本国は民主主義に基づく共和国である。日本国の主権は国民にあり、すべて国家の権力は主権者である国民より出ずる。民主主義的手続きによらぬ国権の行使はこれを認めない。
2 日本国民たる要件は、法律でこれを定める。
このあたりは大韓民国憲法を参考にした。似た文化の国であり、もはや民主主義の先輩国になりつつあるのだから、参考にするに越したことはない。憲法をよりリベラルに、と思っているあなた、大韓民国憲法をちゃんと読んだことありますか? 今すぐ読みましょう。
次回は前文の話をすると思います。