ブルネイに日帰りで行って帰れなくなるところだった話①

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※このときのレートは、1リンギ=27円=5850ドン程度です
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旅行3日目。今日はブルネイまで日帰り旅行をする。

 
インターネットで調べてみた所、往路はミリのPujutバスターミナル8時半発、帰路はブルネイの首都バンダルスリブガワン13時発、というバスがあるそうだ。これを利用して日帰り旅行をすることにする。バンダルスリブガワンに滞在できるのはせいぜい2,3時間かどうかだが、ざっと首都を眺めて、お金を降ろして、食事して、くらいできればいい。

 

 
昨日はPujutまでローカル路線バスで行ったが。今日は時間の縛りがあるのでGrabタクシーを呼んで行くことにする。朝食の時間もないので、ホテル近くの医療センター前に出ていたミニバンのテイクアウト店でまんじゅうを買って済ませる。

 

Pujutのバスターミナルでブルネイゆきを尋ねたところ、「これだ、乗れ乗れ」とミニバンに乗せられる。え? インターネットで調べたバスはもっと普通のバスだったが……。まぁいいか、ネットに乗っていないバス会社だってそりゃ普通にあるだろう、と安心したのが運の尽き。

 
バスはまっすぐ国境に向かわずルトンの街で折り返してしまい、一昨日見た水上住宅からスンガイバオンを挟んで向かい側のほうに行ってしまった。そこで客やら荷物やらを拾うようだ。ベトナムでもこういうことは普通にあるが、ちょっとこれは距離が遠すぎる。これだけで1時間はロスしている……。

 

しかしまぁ、それが終わったらまっすぐ国境に向かってはくれた。入国カードは運転手がもっていたので車内で記入して、ブルネイに入国する。ここの国境は全員が一度に通るゲートがあるわけでなく、複数あるゲートの一つに車で立ち寄って、そこで審査を受けるタイプだった。

 

ブルネイ陸路入国は14日滞在できるようです。

 
ここで英語の書かれた黄色いバスと隣り合う。ああ、これが俺の乗りたかった方のバスか。じゃあここまでのタイムロスはなかったことになると安心。

 
しかし……。

 

私のミニバンは途中まで首都に向かう大きな道を走ったものの、Tutonという街の手前でなんだか道を外れ、田舎の方に走り出してしまった。

 


うーん、まぁ普通のブルネイ旅行では見られない、こういった庶民の生活を見られるのはいいのだけど。

 
ちょ、ちょっとまて。どこに行く。

 

ギャー! 車から一歩も降りないうちにブルネイを出国しようとしてる!

 

「おい、このバスはバンダルスリブガワンに行くのか?」と運転手に聞くと、「行く行く」と答える。どうなってるんだ。結局、2つに分断されているブルネイの国土に挟まれたマレーシア領・リンバンにたどり着き、ここでまた客の積み下ろしとなった。

 
朝からまんじゅうしか食べていないので、そのへんの中華屋でテイクアウト飯を買い、トイレを済ませる。しかしここからどうやってバンダルスリブガワンまで行くのだろうか……。

 

はいはい、何の芸もなく来た道をもどってまたブルネイに入国ですよ。

 

パスポートのスタンプが無駄に増えていってウケる。

 
結局、バンダルスリブガワンについたのは14時ごろ。想定より3時間以上のオーバーである。運転手は場を和ませようと「イエーイ、バンダルスリブガワーン!」とかなんとか言っているが、こちらはもう怒り心頭である。運転手とは口を利かずにそのまま降りた。

 
いやこれ、帰りのバスあるんかい……?

 
(続く)