カオラン市で一泊して帰る
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今日宿泊するドンタップ省カオラン(Cao Lãnh、googleapの採用する北部発音では「カオライン」)市はドンタップ省の省都であるが、道路が碁盤の目のように並ぶ真四角な外見の、なんだか人工的なつくりの街である。メコン川の南岸にあるサデーク市(Sa Đéc)のほうが歴史は長く、カントー市に次ぐメコンデルタの中心地だったようで、そちらには小説『ラ・マン』の舞台となった中華系ベトナム人の家などが史跡として残っている。ベトナム語版Wikipediaによれば、やはりもともとこのあたりは「サデーク省」だったのが、カオランの辺りが後にフォンタン省として独立し、それが逆にサデーク省を併合し直してドンタップ省になったらしい。
なお、カオラン市はホー・チ・ミンの実父であるグエン・シン・サックの最後の地としても有名である。儒学者のサックは科挙に合格し役人となるが、フランス植民地体制下でのグエン朝の腐敗に嫌気が差し、また裕福な地主に刑罰を与えた際に死亡させてしまったことで役人の地位を追われ、多くの革命家と交流するも次第に困窮し、代書屋などをしながらメコンデルタに流れ着き、そのまま乞食同然に行き倒れて死んだという。
以下は2015年に史跡となっている墓地公園を訪問した際の写真である(写真をWikimedia Commonsに提供しています)。
閑話休題
カオラン市に向かうバスはいくつもの運河・小河川を越えていく。
カオラン市もずいぶん発展してきているようだ。大手シネコンであるCGVが進出していた。
カオランではちょっと市場を覗いて夕食を食べただけで、あとは何もしなかった。バスは翌日8時のをFUTAの事務所で予約したのだが、6時半に「7時20分に来てくれ」と電話が来て、慌ててホテルをチェックアウトしてバスターミナルに向かったが結局送迎車がきたのは7時50分だった。そこから更に郊外のバスターミナルで寝台バスに乗り換えた。
バスでは隣にFUTAの制服を着た女性が乗っていたが、これは出張所への通勤か出張かの乗車だったようだ。この写真の「Mỹ Long事務所」で降りていった。
昼過ぎにホーチミン市のミエンタイバスターミナルに着く。2泊3日の駐輪代は22千ドン。かなり安い。
結局今回のビザランで、次回の滞在資格更新は2020年4月28日となった。このときは、2020年に入ってSARS-CoV-2(新型コロナウィルス)による国境閉鎖がはじまり、外国にしばらくいけなくなるなどとは夢にも思っていなかったのだった。この記事を書いている2020年10月現在も、まだ陸路国境開放は未定である。
(完)