Cầu Rào バスターミナルからハイズオンへ

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※このときのレートは、1ドル=23千ドン程度です
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ドーソン岬からの3番バスをカウザオバスターミナルの近くで降りる。バスターミナルちかくでフォトジェニックなオートバイつきシクロをみつけてぱちり。

 
この街に泊まる予定はなしにして、まだ通過したことしかないハイズオン省に向かうことにする。ハイズオンバスターミナル経由で、もう一つの未踏の省・フンイエンに行くのだ。

 

バスターミナルでハイズオン行きのバスを尋ねると、エアコン付きリクライニングシートのハノイ行きバスが1時に出るという。まだ30分近くあるので、近くの食堂に入って昼食をとる。 phở bò(牛肉のフォー)30千ドン。バスターミナルの客引きの鬱陶しさに少々疑心暗鬼になっていたので、しつこく値段を確認して笑われる。店の人との会話は結構弾んだ。北部のフォーの店には酢漬けのにんにくが調味料として置いてあることが多いのでたっぷりと頂く。

 
食後に「trà đá(氷入りのお茶)をくれ、ここに入れてくれ」と魔法瓶を差し出したが、お茶を入れてもらって受け取った後で、「氷もいるのか?」と聞かれる。しまった、ベトナム北部では南部と違って、お茶と言えば熱いお茶であることが多いのを忘れていた。果たして、熱いお茶に氷を注がれてただのぬるいお茶になった上に、茶代だけで5千ドンも追加で取られた。うーん、やっぱり南部の、とくにサービス精神の高いホーチミン市で暮らしていると、北部はいろいろと面倒が多いと感じる。

 
バスターミナルに戻り、すでにエアコンが稼働している件のバスに乗り込む。乗客は5人ほどしかいない。しばらく待っていると乗務員が乗り込んできてどこに行くか聞かれる。南部風に「ハイユン」と言ってみたが通じず、北部風に「ハイズオン」のバスターミナルと言い直す。OKとは言われたが、本当に行ってくれるかまだ少々心配である。

 
バスはゆっくりと市内を回って客を拾った後に、アジアハイウエイ14号こと「5号道路」に入ってくれた。これならちゃんとハイズオンバスターミナルの、少なくとも近くまで行くだろう。5号道路はひっきりなしにトラックやコンテナ車、タンクローリーが走り、さすが首都ハノイと港町ハイフォンを結ぶ幹線道路だなと感じる。今日は朝から○○なバイクタクシーにおかしなところに連れて行かれたり、しつこい客引きにうんざりしたり、濁った海に興をそがれたりしていたが、車窓を眺めているとようやく気分が乗ってきた。

 
バックパッカー旅行は、このようにスイッチが入るまで結構時間がかかるものである。最初の町について最初の数時間は、不慣れ故に迷ったり騙されたりすることが多く、「なんでこんな面倒なことをしに来たのか」「家でゴロゴロ寝ていればよかった」などと思ってしまうものだ。そんなことを考えているうちに、少し眠くなってきた。ハイズオンへ着く時間を予想してスマホのアラームをセットして、少し寝ることにする。

 
(続く)