フェリーで対岸へ

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※この時の通貨のレートはおおよそ1000リエル=28.5円でした。
※地図と旅程はこちらを参照。

カンピでカワイルカを見終わると、一昨日の朝に申請していたベトナムのe-VISAが出来上がっているとメールが入っていた。印刷のためにクラチエへ戻ることにする。


途中で見かけたのがこの幽霊のような幟と音楽。これは多分お葬式だろうと思って家の中を覗いてみると、果たしてお爺さんの遺体が毛布にくるまって安置されていた。こういうのに遠慮はいらないだろうと部屋の中に入り、合掌させてもらった。


クラチエの市場で遅い昼食をとる。鶏ももの直火焼きは1本7000リエルと高めだった。

ホテルに戻って宿の親父や英語のできる娘さんにVISAの印刷について聞いてみたが、ホテルにプリンターなどはないそうだ。向かいのベトナムカフェの女給に聞いてみても同じ。隣のホテルに聞いてみても同じ。印刷ができるところを探してさまよってみると……。


ああ、そうか。写真屋に行けばプリンターはあるのだ。証明写真や記念写真の店は小さな街でも必ずある。店の親父にマイクロSDカードを見せて、カタコトのクメール語で「紙、印刷」と伝え、ジェスチャーでA4サイズを示してみると、「しばらく待っていろ」というような仕草をしてバイクでどこかにでかけていく。しばらくするとSDカードリーダーを持ってもどってきた。印刷代は1000リエルだった。


ベトナムのE-VISAは28ドルほどである

 



まだ夕方まで少々時間がある。今度はクラチエの街から南に向かってみると、ちょっとしたフェリーターミナルがあってメコン川の向こう岸に行けるようになっていた。


水辺大好き人間としては乗らないわけには行かない。


運賃は2000リエルも取られたので多分ぼったくられたと思うのだが、数字までもクメール文字で書かれていて全く読めない。


上のデッキに上がってみる。


操舵席には謎の美女が描かれていた。無聊を慰めるためか……。

対岸はびっくりするほど発展から取り残されていた。googlemapなどを見てみても、どうもメコン川の西岸は街らしい街がないようだ。雑貨屋でジュース1杯だけ飲んですぐ帰りのフェリーに乗った。


メコン沿いの公園でぼんやり夕日を見ていると、怪しげな日本語を少々つかうポン引きに捕まってしまった。うまく追い払えずに嫌な顔をしていると、チェコ人だというカップルが割って入ってくれた。少々世間話をする。「安倍晋三がクルクルパーで放射能だから日本はもう嫌なのだ」と言うと、「安倍晋三がクルクルパーなのは知っているよ」と言われてしまった。

ここには3晩くらい泊まろうと思っていたが、ベトナムビザも手に入ったし、街には大して何もないようだし、明日の朝にバスでコンポンチャムに向かうことにする。10時にバスがあることは確認してある。

夕食は市場近くの飯屋で、焼き魚、芥子菜と豚肉の炒めもの、ウズラの丸焼き半身などを頼む。ビールも2缶つけて合計15,000リエル。ホテルで食べるよりはずっと安いが、結構な贅沢である。