カンゾーからカンドゥックへ
※この旅行記のインデックスはこちら。
この旅行記のインデックスページの地図の抜粋をここに再掲するが、前述の通りこのエリアでは3つの水系が複雑に交わっている。
地図の上から流れてきているのが、Soài Rạp(ソアイラップ)川。これはホーチミン市とドンナイ省の境をなすドンナイ川と、ホーチミン市都心を流れるサイゴン川が源となっている。いずれも水源はカンボジアである。
地図の下を左から右に流れているのがメコン川の最北の支流、Tiên Giang(ティエンザン:前江)である。
そして地図の左中央から流れてきているのが、Vàm Cỏ(ヴァムコー)川。これはロンアン省から流れてくる Vàm Cỏ Tay(ヴァムコータイ:西ヴァムコー)、タイニン省から流れてくるVàm Cỏ Đông(ヴァムコードン:東ヴァムコー)が合流したものである。ヴァムコードン川はベトナム南部の有名なラブソングにも歌われている。
Anh ở đầu sông, Em cuối sông,
僕は川の源に、君は川の終わりに
Uống chung dòng nước Vàm Cỏ Đông,
同じヴァムコードン川の水を飲んでいる
Thương nhau đã chín ba mùa lúa,
愛し合ってから、稲の実る季節がもう3度
chưa ngày gặp lại, nhớ mệnh mong
まだ再会の日は来ず、途方もなく恋しい
カンゾー県南端を16時前に出発し、途中の三叉路を西に折れる。しばらく進むとホーチミン市とロンアン省の境、ソアイラップ川を横断する、Doi Lầu – hiệp Phướcの渡し場につく。
ここはなかなか川幅のある場所だが、船も桟橋も非常に小さかった。むしろ川幅があるぶん、両岸の交流が少ないのだろう。
渡し賃は9千ドン。川幅があるから高いのか。
すぐにまた現れるのが、ホーチミン市都心の南から流れてくる、サイゴン川の支流とも言っていい Cần Giuộc(カンジゥオック)川のさらに支流の渡し場、Phước Vĩnh Đông – Vĩnh Đông の渡し場である。
ここはかなりの交通量があった。運賃5千ドン。
しばらく西北に進んでから南に下る。次に渡ったのが、Kinh nước mặn(キンヌクマン)の渡し。
このすこし先に、Cần Giuộc(カンジゥオック)川と Vàm Cỏ(ヴァムコー)川をむすぶ kênh nước mặn(ケインヌクマン:塩水運河)という運河がある。名前からして、満潮のときはこのあたりまで海水が上がってくるのだろう。カンゾー県で見られるようなマングローブは、こういった汽水域が必要なのだと聞く。
しばらくいくと、Kenh nước mặnを渡る立派な橋があった。これは翌日に橋の上から撮影したタイムラプス動画。kênh nước mặn運河を行き交う船の様子である。
このあたりで日が暮れてきたので宿泊する場所を探すとする。しばらく西に行ったところに Cần Đước(カンドゥオック)という大きめの街があったので適当なミニホテルに投宿。そういえばベトナムでバイクに乗ってホテルに泊まるのは初めてである。ホテル代は一泊180千ドンと標準的だったが、この値段帯には珍しくバスタブがあったのが嬉しかった。
(続く)
※2024年1月30日修正: 宿泊した街の名前は Cần Dước (カンズォック)ではなく、Cần Đước(カンドゥオック)でした。googlemap に間違いがあったようです(現在は修正済み)。