ムーカンチャイ県とラパンタン村の棚田③

943
※このときのレートは、1ドル=23千ドン程度です
※この旅行記のインデックスはこちら

 
帰りのバスまでの3時間、曇り空なのが少し残念だが、バイクで国道32号線沿いの棚田を見て回ることにする。ここの棚田は、かの有名な雲南省元陽県ほどフォトジェニックではないが、あちこちにある棚田を自分の足で、すぐ近くまで行って見て回れるのがいいところだろう。

 

国道沿いでまず見つけたポイントはここ。奥右手に見えるのは、ムーカンチャイ県の民族学校である。全寮制と書かれていた。背後には小さな湧き水があった。(位置)

 
写真B
Chế Cu Nha という村に入ったあたり。この村の住民は99%がモン族だとのこと(Wikipediaベトナム語版より)。護岸工事がされている。(位置)

 
写真C
Chế Cu Nha役場の近く(位置)。農具小屋のようなところまで何かのケーブルが引かれており、小屋の中にモン族の衣装の人たちが集まっていた。昼食どきだったからか。基本このあたりでは、ムーカンチャイからみて国道の右手に川があり、その川にいわゆるモンキーブリッジ(竹で1本の足場と、2本の手すりを組んだもの)がいくつか架かっているようだ。

 
ここから山道に少し入る(位置)

 

 
写真D
山の上から見下ろす。農作業している4人が見えるだろうか(クリックで拡大)。このあたりの標高は1099mだった。

 


幼児と遊ぶ2人の少女(カメラを向けると恥ずかしがる)と棚田。エンジン音は私のバイクのものです。

 


棚田の最上層はこうなっていた。

 
また国道に戻る。

 

また少し進んだ、 Ku Bao Chay と googlemapにあったあたり(位置)

 

下に下にと流れる水が見えるだろうか。棚田を作るにはかなりの水がいるのだなあと実感(位置)。このあたりには「ムーカンチャイリゾート」という大きな施設が建設中だった。

 

そのリゾートの正面玄関から見えることになる景色(位置)

 


水牛が泥遊びをしていた。

 
Ba Nhà橋というところに小さな茶屋があり、そこでジュースとパンを食べる(昼食をまだ食べていなかった)。そこから山道に入ったのが運の尽き。国道への出口がみつからず、きつい傾斜の山道を40分以上走りまわることになった。しかしここが、棚田で一番有名なラパンタン村だった。

 


ベトナムでは主要ではない道路はコンクリート舗装のことが多い。

 
(位置)

 

このあたりでは、街でよく見るカブ系のバイク(Future, Wave, Sirius)ではなく、こういったレトロな見かけのバイクが多かった。中国製の古いものを大事に使っているということなのか、それとも馬力が山道に適しているのだろうか?

 


水牛がたくさん働いているのがわかるだろうか。水牛はその見た目とは違って、カモシカのように高いところにひょいひょい登れる。

 

2時半過ぎになってようやく晴れてきた。

 


沢山の人が田植えをしていた。

 
ようやく国道に出たら、そこは往路でバスが停まった、モン族のスカートを売る店がある Ba Kimの集落だった。そこからムーカンチャイ市街まで戻る。ギアローのホテルにウィンドブレーカーを置いてきてしまったので、晴れた午後の日差しが痛い。日焼けしてしまう。

 
ムーカンチャイの街に帰ると、疲れのせいか視野がおかしくなってきた。時計を見ると3時20分。まだ時間はあるが、事故ってもしょうがないのでバイクを返却し、また件のカフェに入る。食事はないかと聞いたら、もう売り切れだそうだ。近くでパンを買って、カフェでコカ・コーラを頼んでバスを待つ。

 
4時にやってきたバスは、なんと往路で乗ったものと同じバスだった。運転手さんはあれからライチャウまで走っての帰り道。大変な仕事である。

 


帰りの峠は雲の中であった。これではなかなかスピードは出せない。

 

大きな洞窟を見かけた。

 

ギアローに帰ったのは7時半過ぎだった。市場東端に飯屋があったので、飯とビールを頼む。このようなトレイ飯は南部では会社の食堂のようなところでしか見かけないが、北部ではメジャーである。飯とビールで42千ドン。

 
ホテルに帰ると、照明やファンは動くものの、エアコンがつかない。宿の親父にブレーカーを上げてくれというと、あれこれ調べた挙句、「政府による計画停電だ。エアコンは自家発電に繋がってないから」と言い、窓を明け始めた。「何時まで停電?」と聞くと、「たぶん21時だと思う」という。たしかに街のあちこちで自家発電機をみかけた。調べてみると、イエンバイ省電力公社のホームページには「10時から16時まで停電」「明日は7時から停電」とあった。これでは全然計画停電ではない。

 
虫が入ってくるので窓は締め、明日の夜遅くの飛行機をスマホで予約すると、ファンだけで眠ることにした。停電は一向に終わらず、夜中1時を過ぎるとホテルの自家発電も止まってしまった。

 
(続く)