ギアローからハノイ、サイゴン

627
※このときのレートは、1ドル=23千ドン程度です
※この旅行記のインデックスはこちら

 
朝目を覚ますと天井のファンが回っている。停電は終わったらしい。エアコンはついていないが……と思ったら突然ついた。宿の親父がちょうどブレーカーを上げたところだったようだ。今日ハノイから飛ぶ飛行機は21時。ノイバイ空港に19時半だとすると、余裕を見てハノイ市街に18時にはいたほうがいい。

 
7時ちょっと前に昨日と同じバインミー屋台で朝食。今日頼んだのは鶏肉とキノコの炒め物を挟んだもので、始めて見るタイプだが美味しかった。屋台のおばさんにバスについて尋ねると、7時と13時があるという。7時は間に合わない。ミニスーパーで水を買うついでに女社長(まだ若い。35歳くらいか)に尋ねてみると、9時にもあるけど寝台かどうかはわからない、バスターミナルで聞いてみれば、という。昨日までわたしに対し警戒気味だった女社長は、あなた外国人なの? ハノイに帰るの? サパは行った? とあれこれ話しかけてくる。

 
ホテルに戻って経営者のおばさんに聞いてみると、9時からのを予約してあげる。寝台だよ。という。一度部屋に戻り、9時前に荷物を整理してチェックアウトに向かうと、「ごめん、10時だった」という。なんだ、ともう少し休憩。

 
10時ちょっと前に三叉路でジュースを飲みながらバス待ち。やってきたのはミニバンで、なんだよ、寝台じゃないのかよ、と思ったが、これはただの送迎車で、町外れのガソリンスタンドで乗り換えになった。寝台に寝て待っていると、昨日見かけた黄色いバスがやってきて、そこから降りた乗客がわらわらと私のバスに乗ってきた。座席が足りずにここで分乗ということか。

 

ガソリンスタンド向かいには日本料理の店があった。「おいしいなべもの」。やはり観光地としてこれから売り出そうとしている街なのだろう。

 

途中で昼食をとって、ハノイのミーディンバスターミナルにたどり着いたのは15時過ぎ。山から降りてきた身にとっては、この日のハノイは猛烈な暑さだった。空港に向かうまで3時間くらいの猶予がある。空港ゆきバスの路線も考えて、以前も行ったことのある民族学博物館で時間を潰すことにした。

 
受付のお姉さんに「博物館開いてる?」と聞ききっぷを買う。40千ドン。ずいぶん値上がりしている。ここは常設展「ベトナムの民族」と、臨時展の建物、ベトナムの各民族の住居を再現した野外コースで成り立っている。4年前に来たときは結構おもしろく見た覚えがあるのだが、自分が実際にベトナム各地を回ってから見直してみると、結構チャチな展示で、あれこれ文句もつけたくなる。休憩所で飲んだコカ・コーラが50千ドン(市価の5倍)で、店員が英語しか喋らなかったのも大いに不満。

 

博物館は17時に閉館なので、近くのカフェでピーチティを飲んで時間を潰す。18時前に空港ゆきのバスに乗ったが、つい癖で空港に着く前にバスを降りてしまった(ホーチミン市のタンソンニャット国際空港はいつも徒歩やバイクで入るので……)。しかたなしに歩いて空港ビルに向かうと、ここは国際線だと追い払われる。しまった、ノイバイ空港の国内線は始めて使うのに、何も調べていなかった……。

 
また20分ほど歩いて国内線ターミナルに。保安検査の先にレストラン街があるのも知らずに閉店間際の店でボラれる。皿飯1杯60千ドンはまぁいいとして、オレンジジュースがなんと89千ドン!(街なかの屋台なら高くて15千ドン) 店員の姐さんは「あなたは次にアイスクリームを食べるわよね!ね!」とノリノリである。「金がねーよ!」と言って会計を済ませ、保安検査に向かう。

 

21時発のはずのVietjetAirは、約1時間のディレイ。サイゴンの自宅に帰り着いたのは、夜2時近かった。妻は非常に不機嫌であった。

 
(終わり)