海外生活DIY:納豆を自宅で作ろう

25

海外に住んでいると、どうしても時々食べたくなる日本食、というものがあります。

 
幸いベトナムの食文化は日本とは結構似ており、食で困ることはほぼありません。あえて言えば洋食と揚げ物が足りませんが、もう私も40代後半なので、そもそもあまり揚げ物は欲しくなくなりました。更に言えば、わたしの住んでいるような郊外でもスーパーには海苔、ワカメ、袋ラーメン、冷凍餃子、カップ麺などの韓国食材が普通にあり、十分に日本食材の代わりになります。

 
とはいえ、手に入りにくく、また時々食べたくてたまらなくなるものがあります。わたしの場合、それはシメサバと納豆です。シメサバは都心の寿司屋にいけば1皿300~400円程度です。納豆は都心のコンビニで3パック400円くらいからあるらしいのですが(日本人街には近づかないので実際に見たことはありません)、そもそも都心に行かないし、この値段ではちょっと気軽には買えません。

 
今回、牛乳パック式のヨーグルトメーカーを手に入れたので、納豆づくりに挑戦してみました。

 

材料(牛乳パック使用、6食分)

  • 大豆……150g
  • 水……500cc
  • 納豆菌……1g

 

大豆はそのへんの雑貨屋で1キロ26,000ドン(110円)で買ったものです。かなりの小粒ですが、出来上がりは日本の納豆と同じくらいの大きさになります。水は水道水で十分です(水質の悪い場合は飲料用の水を使いましょう。ウチは井戸水なので問題ありません)。なお150gの豆から270gほど(1.8倍見当)の納豆ができます。1食50gとして5~6食分程ですね。牛乳パックで作るのなら量は180gくらいが限界だと思います。

 

納豆菌は大手通販の Lazadaで中国産の物が買えます。1g入りが10パック入って22,000ドン(100円)くらいです。最近は Lazadaもコンビニ(サークルK)受け取りができるようになりました。都心のコンビニなら店員は英語ができるでしょうから、ベトナム語ができない人でも買いやすくなったと思います。

 

道具

  • よく洗った牛乳パック
  • 圧力鍋
  • ヨーグルトメーカー
  • タピオカミルクティー用ストロー数本
  • ティッシュ、輪ゴム、スプーン、小皿など

 
牛乳パックは自家製ヨーグルトを作ったものを流用します。よく洗剤で洗って乾かしておきます。圧力鍋は必須です。鍋で普通に煮たり蒸したりすると半日仕事になりますが、圧力鍋なら1時間半程度でなんとかなります。

 
なお納豆菌発酵に必要なのは、十分な熱(特に発酵初期)と酸素です。しかし細長い牛乳パックに豆を詰めるとどうしても下の方に酸素が行かなくなります。それをカバーするための工夫がタピオカミルクティー用ストローです。

 

タピオカミルクティー用ストローは、事務用のパンチで穴をたくさん開けておきます。これを発酵中の豆の中に刺しておくことで、奥の方まで酸素を届けます。藁苞納豆でも中心部に「姫」と呼ばれる藁束を入れることがあって、これは「納豆菌を奥まで浸透させるために」と言われているようですが、わたしは「豆を密集させすぎず、奥まで酸素が届くように」じゃないかと思っています。

 
この工夫に行き着くまで結構苦労しました。世間では「発酵のときは豆粒で3~4層を越えると下層部が酸素不足になる」と言われているようなので、これは牛乳パック方式のヨーグルトメーカーと完全に対立します。何の工夫もしない牛乳パックを使うと下層部が酸素不足で発酵しない、牛乳パックをやめて小さなタッパーを重ねて入れてみると上層部で熱がたりなくなる、などなどの問題点を、このタピオカミルクティーストローで解決できました。

あとは小皿やスプーンなど、これはまぁ台所にある小物で足りるでしょう。

 

作り方

 

まずは大豆を水に浸けます。ベトナムは気温が高いですから、エアコンのない部屋であれば10時間も浸けておけばいいでしょう。大豆は3倍に膨らむと言いますので、大豆150gに対してなら最低でも500ccの水を用意しましょう。

 

浸けておくとこのくらいまで膨らみます。これを圧力鍋で蒸します。茹でてもいいのですが、大豆の成分が溶け出してしまい、また水っぽくなってしまうのでよくないようです。わたしの場合は蒸し皿に入れて、電気式圧力鍋の「豆コース」(30分)を2回やります。

 

この写真は補正がかかっているのでわかりにくいかもですが、大豆は「納豆色」になるまでよく煮込みます。俗に「親指と小指の先でつまんで潰れるくらいの柔らかさ」と言うようですが、不安になるくらい柔らかくしたほうがいいです。発酵と熟成で結構固くなりますから。

 

大豆を蒸している間に、牛乳パック、ストロー、スプーン、小皿を熱湯消毒しておきます。ふつうに沸騰させたお湯に1分くらい浸けるだけで大丈夫です。納豆菌を大量に入れるわけですから、普通に衛生に気を使えば、腐敗菌が割り込む隙はないでしょう。ヨーグルトメーカーのスイッチも先に入れて、予熱しておいたほうがいいでしょう。

 
大豆が蒸しあがったら時間との勝負です。小皿に納豆菌を入れて、そこに熱湯を大さじ1杯くらい注ぎます(消毒に使ったものでいいです)。納豆菌は120℃くらいまで耐えられますし、むしろ100℃近い熱に晒されるとショックで発芽が始まるそうです。納豆菌を十分熱湯に溶かしたら、蒸しあがった大豆にふりかけ、十分に行き渡らせます。

 

納豆菌を混ぜたらすぐに牛乳パックに大豆を詰め込みます。冷める隙を与えるとよくありません。とにかく急いで作業します。まず通気口のストローをいれて、その隙間に豆を流し込むように入れるといいでしょう。

 
ティッシュと輪ゴムで蓋をしたらすぐにヨーグルトメーカーに。このまま10〜12時間くらい放置しておきます。酸素が必要ですからヨーグルトメーカーの蓋はしっかり締めてはいけません。蒸気も出るので、蓋を締めるのではなく布巾を被せておくだけのほうがいいかもしれません。なおうちのヨーグルトメーカーの場合、牛乳パック下部は45℃位になっているようです。

 
12時間くらい経ったら様子を見てみましょう。表面の豆が白く粉を吹いたようになっていたら成功ですが、ここで一度かき混ぜて再度酸素を十分に補給してやりましょう。その後さらに5~10時間くらいで発酵完了です。小さなタッパーなどに取り分けて、冷蔵庫で24時間くらい寝かせると食べごろです。

 

 
発酵時間に関しては、環境によって大きく違ってくると思います。豆の品種、量、蒸し具合、水の硬度、ヨーグルトメーカーの温度、気温、発酵を朝に始めるか夜に始めるか……。ですから、最初の何回かは失敗して当たり前だと思ったほうがいいです。

 
一般的には20時間くらい発酵するとよいと言われますが、量が多くて夜に始めると24時間ちかく、少ない量で昼に始めると15時間くらいでできたりします。発酵しすぎるとアンモニア臭く、発酵ができていないと豆の饐えたにおい(温かい豆乳が嫌いな人なら分ると思う)が強くなります。また雑菌が入ると雑巾のにおいになります(これは私は未経験です)。においを確認しながら終了時間を決めましょう。

 
概ねですが、金曜の夜に仕込みを初めて、土曜日の夜に発酵開始、日曜日午後に冷蔵庫に入れて月曜の夜から食べられるくらいの感覚ですね。発酵開始から12時間目~20時間の8時間が「自由の効く時間」(勤め人なら日曜か土曜の朝から夕方)にくるように調整しましょう。

1+