2026年5月の読書日記

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育児に忙しく読書ペースががくんと落ちています。5月はノンフィクション6冊、フィクション6冊で合計12冊。まんが1冊を加えて13冊でした。

 

ノンフィクション(6冊)

📔『国衆』/黒田基樹/平凡社
★★★★☆
近年用いられるようになった歴史用語「国衆」についての本。各地の戦国大名に服属しながらも自治は保った地方領主のことであるが、「国衆」という用語は、室町時代の地方領主とどう違ったのかが重要らしい。すなわち室町時代の地方領主は

1.室町府に服属し基礎的な自治は保つ 2.知行地を上位者に保証してもらうが、A国Bノ荘に300石、C国Dノ荘に100石とバラバラに持っている 3.一族のメンバーもそれぞれ個人で上位者に仕えている

というのだったのが、「国衆」は2.と3.が違っており、「領地は地元一箇所」「親族は基本自分たちのみに仕える」というのが違うという話。本書ではここを出発点にさまざまな国衆のなりたちや、国衆から戦国大名に発展した例などを挙げている。そしてこの構造が江戸幕府に引き継がれ「外様大名」となったことも。読みやすいし良書。


 

📔『邪馬台国をとらえなおす』/大塚初重/講談社現代文庫
★★★★☆
邪馬台国論争をさまざま面から捉え直す本であり、本書は「九州説」だとか「大和説」だとか個別の立場には立たない。専門的だがそう難しくはない。ちなみにわたしは「九州説(東遷説も一部)」「倭国と日本国は別」だと思っています。


 

📔『イラクの地下社会』/若宮總/角川新書
★★☆☆☆
「イラクってあなたの想像と違ってこういう国なんですよ」という本なのだが、いろいろいいたいことがあり星3つ。内容の一部は「日本人から見た途上国あるある」話に過ぎず、カンボジア在住者が書いてもエチオピア在住者が書いても変わらなそうな内容。あとはイラクにおける酒やイスラム教の実態の話をしているのだが、これも「イスラム化前のペルシャの世俗っぷり」「独裁国家ってどんな感じか」を知っている人間からすればそこまで驚く話ではない。また著者はイラク界隈の有名人らしいが、身の危険を恐れて本書は偽名で書いたとのこと。そうなってしまうと結局、いいたくない言葉だが、「根拠性に乏しいですよね」ということになってしまう。


 

📔『つつまし酒』/パリっ子/光文社
★★★☆☆
すっかり日本式の「飲み」「居酒屋」とは縁遠いのでたまにこういうのを読みたくなります。


 

📔『新幹線各駅停車 こだま酒場紀行』/大竹悟/ウエッジ
★★★☆☆
しまった、ネトウヨ出版社の本だった。タイトル通り東海道新幹線こだま号の停車する各駅を飲み歩く話。本書に登場するうち、わたしがある程度歩いたことがある駅は、品川、三島、静岡、豊橋、三河安城、名古屋、京都、新大阪、岡山、新尾道、博多くらいか。


 

📔『大阪言葉の謎』/金水敏/SBクリエイティブ
★★★☆☆
わたしは日本語教師だが、日本の各地に働きに行くベトナム人に日本語を教えているので、やはり教科書のことば一辺倒ではいられない。方言とまではいかないが、やはり「西日本ではこう言う傾向がある」くらいは学生に教えないといけないと思っている。またわたしは愛知県三河地方の出身だが、わたしが子供の頃はまだ「名古屋文化」という主張は弱く、どちらかといえば愛知県も関西圏だった気がする。本書は関西ふうの言い回しやアクセントなどのライトな研究書といったところか。「大阪言葉」が全国区になるまでには、関東大震災ののちに大阪市の人口が東京市を超えていた時期があった、上方落語ブーム、お笑いブームという3つの波があったんですね。


 

フィクション(6冊)

📔微生物研究室特任教授 坂口信シリーズ『MEDUSA』『APOPHIS』/内藤了/角川ホラー文庫
★★★☆☆
内藤了の量産ホラーシリーズ。特に面白くもなし。


 

📔『おとろしの森』/滝川さり/角川ホラー文庫
★★★★☆
怨霊系ホラー。序盤は結構怖かったが怨霊の原因がはっきりわかるにつれ怖くなくなるタイプの話で、なるほど、「読者を怖がらせすぎない」ためにはそういう書き方もあるか、と。ちなみにわたしは子供ができてからホラーとかオバケとかあまり怖くなくなったタチです。


 

📔『殿さま狸』/箕輪諒/学研
★★★★☆
蜂須賀家政伝。戦国ものではあるが派手な戦の話はなく、また序盤は父の正勝(小六)の出番も多く、いまいちパッとしない読み口に感じられたが、根っからの武人ではない、経済観念に長けた蜂須賀家とその周辺の「国造り物語」としては面白かった。


 

📔『のんではいけない』/樋口明雄/山と渓谷社
★★★☆☆
アル中本。しかし殆どが本人の「青春無頼飲み回顧録」になっていて、アル中としてのダメさ情けなさがあまりさらけ出されておらず、期待はずれ。


 

📔『社員食堂に三ッ星を』/山本幸久/角川文庫
★★★★☆
都会人が田舎で働く系のお話。しかし今の時代、逆のストーリーはほぼ見かけないですよね。そういう時代。


 

まんが(1冊)

📔『ファイブスター物語』19巻/永野護/角川書店
★★★★★★★★★★
レビューは別途。


 

年間累計

ノン
フィクション
フィクション 非まんが計 まんが 月の総計
2026May 6 6 12 1 13
2026Apr 5 5 10 3 13
2026Mar 12 3 15 2 17
2026FEB 6 8 14 7 21
2026JAN 3 8 11 3 14
2026ALL 32 30 62 16 78
2025ALL 68 90 158 84 242