どこまで黄色?
以前の記事で、日本語の「水」とベトナム語の「nước」はかなり違う、という話をしました。また「行く・来る・帰る」と「đi, đến, về」も結構違う、という話をしました。
その続きとして、色について扱ってみます。
どこまで黄色?
日本人に「柴犬って何色?」と聞くと、まず「茶色」と返ってくると思います。ところが先日ベトナム人学生の作文をチェックしていたら、「黄色い犬」と言う表現が複数の学生から出てきました。日本人の感覚だと、「黄色い犬」なんて存在しませんよね。調べてみると、ジョルジュ・シムノンの小説や、中島みゆきの歌に「黄色い犬」というのがあるようですが、日本人の一般的な感覚だと、黄色といえば
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概ねこのような色をイメージし、黄色い動物、と聞くとせいぜい「狐」「キリン」程度で、「犬」はナシだろう、と思う人がほとんどだと思います。
また先日、出かけようとしていた妻に「ちょっと、財布とって! そこの棚! 黄色いの!」と言われたのですが、黄色いものはそこになく、財布っぽいものといえば「クリーム色」の袋しかありませんでしたが、妻は「これは黄色だ」と言い張っていました。
ここに8つの色があります
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おそらく日本人の感覚だと、広くとっても「黄色」はこの2つでしょう。
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しかしベトナム人の感覚だと、このくらいまで黄色のようです。もちろん人によって違うでしょうが……
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また、ベトナム語にも「金色」を指す語はあるのですが(vàng kim:金の黄色)、あまり使われないようです。これも「黄色」に含めてしまう人が目立ちますね。
xanh は何色?
ベトナム語では、昔の日本語の「あを」同様に、「青」と「緑」をはっきり区別しません。両方とも xanh という語で表されます。青と言いたいときは、 xanh biển(海の xanh) とか xanh dương (洋xanh)と言い、緑と言いたいときは xanh lá cây(木の葉のxanh)といいます。交通信号も都会では đèn giáo thông(交通灯)という人もいますが、田舎ではもっぱら đèn xanh đèn đỏ (あを灯あか灯)といいます。
ベトナムの「青~緑」の各色の表現については、以前も記事を書いたのでこちらも参照してください。