サイゴンまでの帰路
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今日は最終日。7時半出発のバスを予約しているので、7時少し過ぎにバス会社を尋ねる。まだ時間があることを確認して荷物を置かせてもらい、シソワット・キーの夜市があるあたりまで食事に出かける。
値段も確認せずにクイティアウを頼むと……。値段はなんと10,000リエル(2.5ドル)という暴利であった。一緒に飲んだごくありきたりなペットボトルのオレンジジュースも6,000リエル。うーん、観光客が集まる場所とは言え、最後の最後でぼったくられてしまった。しかも美味しくない。悔しい。
バス会社に戻ると送迎のミニバンに乗せられる。これであちこちのホテルを回って客を拾うという、よくあるパターンである。私は基本的にホテルにバスを予約してもらうというようなことをしたことがない(自分でするほうが楽しい)ので、こういうのに拾われたことはない。
結局、ミニバンからバスに乗り換えたのは8時半過ぎ。場所はオルセーマーケットの近くである。
国境についたのは12時頃。そこで飯(魚の煮物)を食べていると、同じテーブルに座った男がなにやら歯間ブラシを配って「ジャパニーズテクノロジー」だの言ってる。ううむ……日本スゴイ系だ。話しかけてみるともちろん日本人だ。パスポートを覗き見ると私よりすこし年上。高齢失職バックパッカーのたぐいのようである。
国境の通過に2時間もかかったのでこの男とあれこれ話していたのだが、やはり話が通じない。わたしが日本語教師でベトナム人と婚約中であるというと、突然「えー、教え子に手を出しちゃいけませんよー(笑)」とか、極めて失礼なことを言ってくる。日本人の、特にオッサンは、人を茶化さないで会話するということができないのだろうか? しかも初対面だぞ?
バスは2時半すぎにようやく国境地帯を通過。国道22号線をサイゴンに向かうので、乗務員に「タンビン区工業団地のあたりで降ろしてくれ。家が近くなんだ」と伝える。しかしこの乗務員、どうもベトナム語は分かってもサイゴンの地理はよく分かっていないようだ。
そうしていると、近くに座っていたフランス人ソロ女性が「あなたは地元の人間か」「わたしはすぐにタンソンニャット国際空港に行きたい」「通訳してくれ」と頼んで来る。「ホアン・ヴァン・トゥーという三角形の公園があるのでそこで降りればいい」「そこから空港まで歩いても10分くらいだ」「バイクタクシーに乗れ」だのあれこれ教えて、乗務員にも「この女性は空港に行きたいそうだ」と伝えていると、バスが家の近くにさしかかる。乗務員に声を掛けて降ろしてもらい、そこからバイクタクシーを拾って家に帰ると、もう16時半であった。
(完)