ムーカンチャイ県とラパンタン村の棚田①

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※このときのレートは、1ドル=23千ドン程度です
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朝6時前に起きるとあいにくの豪雨である。一瞬、ここに2日滞在でもいいかと思いかけるが、7時前には雨は上がった。シャワーをあびて外にでる(相変わらずホテルのカウンターには誰もいない)。ホテルの前の小川はすっかりミルクコーヒー色に濁っている。

 

大通りに出た所に店を出しているバインミーの屋台で卵焼きのバインミーと豆乳を飲んでいると、市場脇にベトナムではよく見るヒュンダイ製のミニバスが停まっているのが見えた。バインミーを食べながら近づき、運転手に声をかける。ギアローからムーカンチャイを経由してライチャウまで走るバスで、8時15分に出るという。なるほど、やはりこの国道32号線はライチャウとハノイを結ぶ重要な道なのだ。「準備するからちょっと待ってて」と声を掛けホテルに戻る。チェックアウトしてしまおうかと思ったが、受付に人もいないし、まぁ日帰りできる距離だろうからと、トイレと荷物の整理だけ済ませてバスに戻る。バスは街の中を巡回して荷物や客を乗せた後、9時近くになってから街を離れた。座席の半分は荷物である。とくに生ビール用のタンクが多くを占めていた。

 


朝の雨の影響で道路はかなりひどい状態。さらにこの傾斜である。運転には自信があるが、やはりバイクで来たら危なかったかもしれない。家族思いの苦労人、といった風情の運転手に、「棚田のある場所で降りたらいいか、それともムーカンチャイまで行ってそこでバイクを借りたりできるか?」と聞くと、「ムーカンチャイまで行け。レンタルバイクもあるし、バイクタクシーを雇ってもいい」という。ついでに「ムーカンチャイってどういう意味? 目の見えない(Mù) 髪を梳かす(chải)? それともタイ族の言葉?」と聞くと、笑いながら「あの山が mu だから」というようなことを言う。 Mũ(帽子)ということだろうか? うーん。

 
私に興味を持った若い女性客がいろいろ話しかけたり触ったりしてくる。うーん。ベトナムではよくあることだが。

 
30分に1台くらいのペースで同じ形式のバスとすれ違う。数台のバスでライチャウとギアローを結んでいるのだろう。やはりここは山間の大動脈なのだ。また、ギアローの街を出て1時間ほど経ったころに、「ムーカンチャイ~ハノイ」とかかれた黄色い大型寝台バスとすれ違った。時間的に見てこれはギアロー10時発くらいだろう。毎日運行しているなら明日乗れるかもしれない。

 


国道32号線が大きく山を巻いている屈曲部に入ると、大規模ではないものの棚田がいくつか見えるようになってきた。この屈曲部はちょっとした盆地になっているようだ。このあたりは Tú Lệ という地区らしい。もう2時間近くバスに揺られている。いい加減この辺で降りてしまって、適当に帰りのバスを拾おうかと思ってしまうが、我慢我慢……ムーカンチャイまで頑張ろう。

 


このあたりの最高地点は Khau Pha 峠といい、1500mほどあるようだった。国道32号線大屈曲部の終わりを過ぎた辺りである。

 
(続く)