2026年8月の読書記録

28

公私ともに忙しくろくに読めてませんが、ひとまず記録。8月はノンフィクション4冊、フィクション9冊で合計13冊。まんが3冊を加えて16冊でした。

 

ノンフィクション(4冊)

📔 『味の世界史』/玉木俊明/SB新書
KindleUnlimited

岩波ジュニア新書の『砂糖の世界史』や『食べ物から学ぶ世界史』で読んだ内容とかなりがかぶっていたし、首をひねらざるを得ない記述もいくつかあった。おそらく作者の造語だと思うが、農業中心だった時代を「有機経済」、化石燃料をベースとする時代を「無機経済」だと作中で言っているのだが、「石油は有機物なんだが」と突っ込んでしまった。日本はなぜ香辛料を必要としなかったのかという疑問をせっかく立てておいて答えていないのも気になった。


 

📔 『戦国の合戦』/小和田哲夫/SB新書
KindleUnlimited

最近多作の著者。この人の本は一般向け入門書に見せかけて、かなり専門的なことも書いていてよい。この本でちょっとハッとさせられたのは

1.応仁の乱は一軍の将クラスでの死者がほぼいない。とくに京都ではほぼ「放火合戦」だった。
あー、たしかに。名のある死者って骨皮道賢くらいしか思いつかない。調べてみたら若狭武田氏の家臣の逸見繁経という人が文明2年に山科で討ち死にしているが、知らんよなこんな人。あと今川義忠も文明8年だから一応応仁の乱の討ち死にといえるけど、地方だしなあ。
2.桶狭間の戦いでは、義元に一番槍をつけた服部某や首をとった毛利某ではなく、今川本陣の進軍経路を調べ上げた築田政綱が「一番手柄」とされた
こういうところは確かに信長は「革新的」だったのだろうな


 

📔 『孤独に生きよ』/田中慎弥/徳間書店
KindleUnlimited

高校卒業から15年ほど引きこもっていたという芥川賞作家の人生論。基本的には「既存のシステムや情報の奴隷になるな」「孤独を恐れるな」「読書をせよ」というお話。「そんな事言われたって食っていくのが精一杯なんだよ」「引きこもれる資産があったやつに言われても」と思う人もいるだろうが、彼の言っていることは正しいと思う。「案外なんとかなるもんですよ」という生存バイアスに基づくことは言いたくないが、「なんとかなる」と信じて跳ぶしかない世の中ではあると思う。


 

📔 『歴史の屑拾い』/藤原辰史/講談社
KindleUnlimited

京大教授でリベラル史家(食・農業・社会主義思想・ナチズム……)の筆者による、COVID19パンデミック下で書かれたエッセイ。歴史学に向き合う姿勢などについて。さらっと読めてしまったが味わい深い本であり、できればお金を出して買いたいと思った。「歴史と文学」の章では、わたしも既読の「アドルフに告ぐ」(手塚治)や、「蝦夷地別件」(船戸与一)なども取り上げられていた。


 

フィクション(9冊)

📔『あらごと わごと』1~3/竹内涼/講談社文庫
KindleUnlimited

西暦10世紀、承平天慶の乱の少し前を舞台とした超能力ファンタジー。あー、中高生のときに読んだらハマるやつだ、と思って読み始めたが……。この作者、着想も筆力もいいんだけど、いかんせん構成力が……。本作もせっかく平将門や俵藤太(藤原秀郷)、あと当時の関東にいたマイナー豪族などがちゃんと出てくる割には史実と結びつけたりできていないし、京の都の描写もちゃんと「道に死体や糞尿があふれている」ほうの京の都なのだけど、ラストはほとんど少年ジャンプの打ち切りバトル漫画。がっかり。


 

📔『謀聖 尼子経久伝』1~3/竹内涼/講談社文庫
1~2:KindleUnlimited、3:購入

全4巻のうち3巻まで読了。4巻は来月。尼子経久についてはいままで全く知らなかったんだが面白かった。常に貧しい民衆と交わり、至って質素な生活で、持ち物を褒められたりすると相手が部下でもすぐにプレゼントしてしまう困った人だったそうだ。よく戦国ものなんかで「戦のない世の中を」みたいなことを言う主人公に対して「現代の価値観を仮託するな」という人がいるのだけど、やっぱり応仁の乱のあとくらいからは、戦を憎み、民を愛する武将というのはたくさんいたのだと改めて思う。本作では同様に民の生活を大事にした早雲庵宗瑞(伊勢新九郎盛時)も経久の友人として出てきている。あとは近江浅井氏なんかももとは反六角一揆の国人層主導者だったそうで、そちらにも興味が湧いた。ただやはり、この作者は構成力が低い。


 

📔『鯖』/赤松利一/徳間文庫
KindleUnlimited

先日亡くなった「住所不定作家」の山本周五郎賞候補作。人生破綻者ばかりが集まった時代遅れの漁船チームが、中国系の謎のビジネスパーソン(女性)、一癖もニ癖もある料亭の女将などに翻弄され破綻していく様を描いたピカレスク小説。


 

📔 『田中慎弥の掌劇場』/田中慎弥/毎日新聞社
KindleUnlimited

ノンフィクションのほうで読んだ作家のショートショート集。うーん、とくに面白い話はなかった。


 

📔 『泣くな研修医』シリーズ8 『メスを置け、外科医』/中山祐次郎/幻冬舎文庫
KindleUnlimited

1月にまとめ読みしたシリーズの続き。今回はかなり安易な展開でつまらなかった。30分で読めてしまった。


 

 

まんが(3冊)

📔『熊撃ちの女』
購入

熊撃ちをやめると決めたチアキさん。だが旭川でこれまで最大級の熊害が起き……。このエピソードで最終回に向かう感じか。


 

📔『山と食欲と私』
購入

こちらもそろそろ最終回に向かっているかな?


 

📔『こわいやさん』
購入

終わってみればケレン味だけで持たせていた作品であった。


 

年間累計

ノン
フィクション
フィクション 非まんが計 まんが 月の総計
2026Aug 4 9 13 3 16
2026Jul 3 2 5 9 14
2026Jun 3 7 10 3 13
2026May 6 6 12 1 13
2026Apr 5 5 10 3 13
2026Mar 12 3 15 2 17
2026FEB 6 8 14 7 21
2026JAN 3 8 11 3 14
2026ALL 42 48 90 31 121
2025ALL 68 90 158 84 242