2月6日午前:たくさん喋った1日になった


※この記事は旅行から帰った後に書いています。1万ドンは約56円でした。
※地図はこちらを参照。
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6時頃起床。日の出は6時20分ごろなのだが、ホテルの近くにある仏教寺院が早朝から鐘を鳴らすので(不快なほどの大音量ではない)、早く眼が覚める。そろそろ疲れも溜まっているので、しばらくはベッドでゆっくり過ごし、昨日までの旅行メモを普段使っている日記用手帳に書き写したり、ベトナム語の教科書を読み進めるなどして9時頃まで部屋にいた。

一旦ホテルのフロント(といっても半分ガレージ、半分雑貨屋状態だ)までゆき、お父さんに昨日頼んでおいたチャーヴィン省の観光用地図を受け取る。3万ドン。ざっと眺めてみるがこのホテルはそこまで街の中心から遠くなさそうだし、メコンの支流沿いに近い方には街はないようだ(市中心部を流れているのは支流の支流であるロンビン川)。「あと4,5日泊まることにするよ」と Anh Thưに告げ、部屋から洗濯物を取ってくる。1bộ(上下1揃い)で1万ドン、というので、数えようとすると Anh Thưが自分で手を突っ込んで数えだす。さすが宿屋の娘だけあって、他人の洗濯物くらい気にしないようだ。約5揃いだから5万というのを、「Giảm giá được không?(安くならない?)」と聞くと4万に。

 

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朝食はお母さんに「そこの角のフォーを食べなさい、3万ドンよ」と言われていたのだが、実を言うと、ベトナムを代表するフォーの事がそう好きではない。北部で食べれば美味いと聞くのだが、南部では多少コシがあるフーティウやブンにくらべフォーは食感が悪く感じるのだ。

フォー屋の前を通り過ぎると何軒か先に看板も出ていないフーティウ屋があったので覗いてみる。値段を聞くと1万4千ドンという格安なので、フーティウ1杯と揚げ春巻きを1本頼む。具は、人参、大根、豆腐、湯葉、きのこ類で、どうも Chay(精進料理)のようだ。道理で安いはずだ。ベトナムの仏教では新月と満月の日は精進料理を食べる(ăn chay)という風習があり、台湾素食に負けずとも劣らない精巧な精進料理の伝統がある。揚げ春巻き(chả giò)は普通のものと変わらない味だが、これも実は精進料理なのだろう。食べ終わったあとは暇そうな女将と筆談を交えて30分ほど世間話をする。

フーティウ屋を出て街の中心に向け歩く。途中で5000ドンのヌクミアをテイクアウトするが小銭がなく、10万ドンを出して「Xin lỗi, một trăm được không?(ごめんなさい、100でいい?(100は100千の略))」と聞く。これは以降定番のフレーズとなった。

 

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市の中心部の公園に寄ってベンチでしばし休憩していると、宝くじ売りの可愛らしい少年に話しかけられる。いい暇つぶしになると思い『旅の指さし会話帳』(ページ末広告参照)を見せると、すぐに食いついてきた。名前は Ăn、歳は14歳だが学校には行っていないようだ。ベトナム人は美しい筆記体で文字を書くことが教養の証、上品さの証のような考えがあるが、Ănの書く文字はブロック体にもなっていないようなカナクギだし、綴りもかなり怪しい。遊び仲間らしい Đạt, Đuợcの2人もやってきてしばらく4人で遊ぶ。宝くじの売上を聞くと1日の儲けは5万ドンだと言う。宝くじ売りは孤児や寡婦に優先的に与えられる職業だと聞くが、もし外食生活なら3食と水1本がやっとだ。しかも宝くじ売りは1日に何十人にも冷たく無視されるのがあたりまえの、精神的に厳しい仕事だ。

Ănは私がカバンにつけていた羅針盤(la bàn)を目ざとく見つけると、針を見ながらあちこち回っていつまでも飽きずに遊んでいたが、お母さんだろうか、親戚の人だろうか、宝くじ売りの元締めだろうか、中年女性がやってきて説教を始めると、しばらくは頭を垂れておとなしく聞いていたが、やがて泣きそうな顔で反論を始め、ぷぃっと顔をそむけて走って行ってしまった。もうそろそろ第二次性徴で可愛らしくなくなる時期だろうし、こうやって不良少年が生まれていくのかな、と少し悲しくなった。

 

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この街の市場は、Độc Lâp(独立)通りを挟んで屋根のある部分だけで奥行き300m、幅20m強とかなりの規模だ。さらに両脇には露天が立ち並ぶ。一応スーパーマーケットも郊外の Co.opマートと市内のVinatexの2軒があるが、庶民の日用の買い物は市場頼りのようだ。そういえばまだ果物を買っていなかったと思い、1kgで3万5千ドンのChôm chôm(ランブータン)600gほどを1万7千ドンで買い、市場内のカフェに腰を下ろす。

カフェの女将の名は Ngọc Bình、友人であろう中年オバサン2人と、毎日そうしているのだろう、お茶を飲んで世間話を繰り広げている。ベトナム語の勉強目的で話しかけたこちらが、逆にオバサン方の格好の話題のネタとなってしまった形だ。7000ドンのカフェダー(Cá phê đá、氷入りコーヒー)を飲みながら、筆談だけでなくこちらの発音も治してもらい楽しい世間話となった。自分の苗字の「加藤」をベトナム読みで Gia Đằngと伝えると Gia Định(サイゴンの旧名)じゃないのか? と聞き返され、Đằngは Bạch Đằng(ベトナムが元寇に勝利した戦いの地名)の Đằngだよ、と伝えるなど、歴史の話も少々。コーヒーが尽きるとそのまま紅茶(ベトナム語ではTrà Lipton、すなわち「リプトン茶」)を継ぎ足してもらい、結局1時間近くいただろうか。紅茶代は請求されなかったが、必ずまた来ると約束することになった。

 

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河に面した市場の西門に出る。こちらのほうが市場の玄関らしい顔つきをしているし、川沿いだけあって鮮魚を中心とした生鮮売りがたくさんいるためより市場らしい雰囲気だ。川べりではおばさんが魚の干物を作っているので、cá khô(魚の干物)と何度も口にして、発音を治してもらう。私が何度もカーコーカーコーと言っているのがツボにはまってしまったらしく、笑いが止まらなくなってしまったようだ。

 

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乾季のため水はとても少ない。それでも市の中心部4kmほどの間に橋が2箇所しかないこの河では、4人乗りが精一杯であろう小舟が渡しをしていた。

 

この日午前中に使ったお金は11万ドン(約610円)。

 

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