ビンヒエップ国境を越えてカンボジアへ

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※このときのレートは、10,000ドン=47円=1730リエルほどでした。
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タンラップ水上村を3時間ほどで辞して、更に北へ、キエントゥン市社のビンヒエップ国境へと向かう。今回の旅行の主目的はカンボジアへのビザラン(滞在許可延長のための一時出国)なのである。現在私は、この時とった「2019年2月2日まで有効のビザ」と「ベトナム人の配偶者むけビザ免除証書」というものを持っている。妻とは結婚式はまだだが、婚姻届はもう出してあるのだ。

 
現在有効なのは前者のビザの方である。そして後者のビザ免除証書を有効化するのには、一度入管(国境あるいは市内の事務所)でスタンプを更新しなければならないのだ。なお、このビザ免除証書は最大5年間有効なのだが、今後も180日ごとに入管に出頭するか国境を越えるかしてスタンプの更新を行わなければならない。

 
すぐに国境のあるキエントゥン市社に到着した。当初はここで一泊しようかとも思っていたが、まだ時間的にも余裕がある割に、この街には何もなさそうである。

 

気がつくともう国境の手前まで来てしまっている。このまま国境を越えることにする。ベトナム側の入管職員には「カンボジアに行くとしても、ここからベトナムに入り直すのはできないぞ。ビザが発行できない」と注意されたが、ビザ免除証書を見せて「モクバイ(ベトナム・カンボジア間で一番メジャーな国境)にいく」と言うと、「モクバイか、それなら大丈夫だ」と通してくれた。カンボジアへの入国は、2年マルチビザを取得済みなので全く問題なく通してもらえた。

 

ベトナムでは賭博はご法度である(一部の高級ホテルにはあるし、闇カジノもあるが)。だからベトナム国境と接するカンボジアの街は必ずカジノ街になっているのだが、ここは田舎すぎるようで小さなカジノが3軒ほどあるだけだった。ほかには旅行者がが食事や両替をするような店すらなさそうだ。

 
カジノホテルに泊まってみる、というオプションも捨てて、このままカンボジア国内を進んで行く……。しかし途中で、バイクのガソリンも心もとない、持っているお金もベトナムドンのほかには少額のリエル紙幣だけ、カンボジアのSIMもない、と重要なものが3つ揃って欠けている事にだんだん不安になってくる。やっと見つけたガソリンスタンドも閉まっている。しかたないので一度国境まで戻ることにする。

 
国境ゲートのあたりをうろついてみると、カンボジアに入ってすぐ右手は、ベトナム人ばかりが住んでいる集落になっているようだった。そのあたりをうろうろしていると、手動式のガソリン販売機のある雑貨屋を見つける。まずはベトナムドンでガソリンを売ってもらう。2リットル5万ドン。ちょっと高めだ。それから両替の相談をすると、「50ドル札が1枚しかない」という。お互い電卓を打って交渉して、その50ドル札を1170千ドンで売ってもらうことにした。悪いレートではない。なおSIMは扱っていないとのことだった。

 
またカンボジアの道を進む。大きな高校があり、ちょうど学生が下校するところだったり、牛が道路を歩いていたり。

 

しばらく行くと、国道1号線とぶつかるプラサットという小さな街に出る。ここで携帯電話ショップを見つけて、MetfoneのSIMを買った。

 

時間的にみて、この近くで一番大きな都市であるスヴァイリエンに泊まるのが良さそうだった。スヴァイリエンは大きな湖のある、水の豊かな街である。虫の鳴き声が響く湖畔の道はとても気持が良かった。ホテルを探す前に川沿いのカフェでジュースを飲んでしばらく休憩する。

 


 
スヴァイリエンの街で見つけたホテルは、エアコンありで12ドルとのことだったが、部屋に入ると「プラムピー(6)ドラー」だと言う。おかしいなと思って「エアコン?」と言うと、今度はリモコンを持ってきて「ドッピー(12)ドラー」だという。

 
夕食はちかくの麺屋でクイティアウを1杯。会計の合図をすると「5000リエルだ」というのが聞き取れたので、1ドルと1000リエルを出すと、店主は笑顔で「オークン(ありがとう)」と返してきた。

 
(続く)